2009 Fiscal Year Annual Research Report
高齢後期における在宅生活の遂行モデルの検討と加齢対応住宅の基本性能に関する研究
Project/Area Number |
21560662
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Research Institution | National Institute of Public Health |
Principal Investigator |
鈴木 晃 National Institute of Public Health, 建築衛生部, 室長 (20187701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪東 美智子 国立保健医療科学院, 建築衛生部, 主任研究官 (40344064)
大越 扶貴 淑徳大学, 看護学部, 准教授 (90352632)
中村 美安子 神奈川県立保健福祉大学, 社会福祉学科, 准教授 (30363857)
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Keywords | 都市計画・建築計画 / 医療・福祉 / 長寿命化 / 住環境整備 / 生涯住宅 |
Research Abstract |
本研究は、高齢者の居住継続を支援する課題の一つとして一般住宅の計画基準をとりあげ、将来必要になったときに簡単な改修で対応できる新規住宅(加齢対応住宅)の基本性能を提案することを目的としている。このため、(1)自立志向の視点で高齢後期における在宅生活の遂行モデルを具体的に検討した上で、(2)その生活像に容易に対応できる住宅の基本性能を明らかにすることを課題とした。本年度はこれら課題に関する先行研究を整理した上で、以下の二つの主要調査を実施した。 1.生活モデルと加齢対応住宅の基本要件に関する有識者調査 高齢者の住生活に関連する分野の研究者(実質配付数797)を対象に、「想定する高齢者の暮らし方」「加齢対応住宅の要件」などを問う郵送調査を実施し、392名から回答を得た。想定される高齢者像として単身世帯を排除できないとするものが多数を占めたが、移動方法は「車いす・介助」の想定が多く、夜間排泄時の移動では介助者として家族やヘルパーを想定しており、生活モデルが有識者の間でも十分に確立されていないことが示唆された。加齢対応住宅の要件として「寝室とトイレの近接」は総じて支持された。 2.後期高齢単身世帯の自立生活の課題に関する事例調査 想定する生活像として焦点となるであろう後期高齢単身世帯を対象として訪問面接調査を実施した。「東京圏」と「北陸地方都市」を対象地域として、地域包括支援センター等からそれぞれ11事例の紹介を得た。調査事例は屋内歩行に課題をもちながらも自立していたが、日中の居場所を玄関近くにし、寝室まそれと独立させようとする要求が共通してみられた。その際に、寝室を2階にする場合の多くは2階にトイレがあるもので、夜間の頻回な排泄に対応した「寝室とトイレの近接」が重要であると考えられた。
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