2009 Fiscal Year Annual Research Report
中井家所蔵資料の整理と公儀寺社造営における中井家の役割に関する研究
Project/Area Number |
21560667
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
谷 直樹 Osaka City University, 大学院・生活科学研究科, 教授 (40159025)
|
Keywords | 中井家 / 大工頭 / 公儀造営 / 寺社作事 / 近世建築史 |
Research Abstract |
京都大工頭中井家は、江戸時代に畿内及び近江の6カ国の大工を支配し、同国内における公儀造営の設計・施工を家職としていた。近世を通じて上方の建築界を主導した中井家の解明は、近世建築史の重要なし着せたテーマである。本研究計画では、中井家の当主である中井正知氏の所蔵資料6,500点(約3,900点は新出資料)の整理と編集を行い、中井家2代目以降の建築作品を抽出し、とりわけ寺社における公儀作事の実態を中井家と中井役所、寺社、大工組の3つの側面から解明することを目的としている。 【A】 中井家所蔵資料の整理 (1) 中井家所蔵資料の整理:資料のタイトルを付し、データ入力して、仮目録を作成した。 (2) 中井家所蔵資料の撮影:整理した資料のうち、絵図、作事関係文書、中井役所関係文書を抽出し、写真撮影を行った。 【B】 中井家歴代の事績と公儀寺社造営における中井家の役割に関する考察 (1) 中井家所蔵資料以外の文献史料の検索・収集:中井家が関与した寺社作事のうち、賀茂別雷神社(遷宮と造営関係分)、東寺、高野山、長谷寺、多田神社、四天王寺(京都府総合委資料館所蔵)などから必要な史料を検索し、次年度の写真撮影の準備を行った。 (2) 中井家歴代の事績に関する研究:中井家系譜から、公儀寺社造営に関する記事を収集、中井家歴代の詳細な事績を作成した。 (3) 中井役所の棟梁衆の組織と役割に関する研究:中井家所蔵資料から、中井家配下の棟梁組織、内部の役割分担、公儀造営の建物の企画、設計図の作成、現場監理の方法などに関する史料を収集した。 (4) 寺社側の対応に関する研究:寺社文書から、公儀造営における寺社方の関連史料を検索した。 (5) 公儀造営に動員された大工組に関する研究:各地の大工組が所蔵する関係文書から、公儀造営の動員に関する史料を収集した。
|