2009 Fiscal Year Annual Research Report
透過電子顕微鏡その場計測システムの開発とナノエレクトロニクスへの応用
Project/Area Number |
21560681
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
有田 正志 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (20222755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 庸夫 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (90374610)
末岡 和久 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (60250479)
柴山 環樹 エネルギー変換マテリアル研究センター, 准教授 (10241564)
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Keywords | 電子顕微鏡 / その場計測 / 単電子デバイス / 磁気抵抗効果 / 抵抗変化型メモリー |
Research Abstract |
次々世代デバイスの開発に向けて研究がされているが,いずれもナノスケールでの現象が基本となっている.このことを踏まえて,本研究では電気伝導計測と電子顕微鏡(TEM)観察との同時実験を可能にする装置を開発し,電子デバイス研究に応用することを主眼とする.所謂「TEMその場計測技術」に関する開発研究である.研究初年度(H21)においては,主に装置開発を行った.主な結果についての詳細を以下に記す. (1)微細磁化構造-電気特性同時評価用TEM試料ホルダー:数μm程度以下の微細磁気デバイスに磁場を印加するための電磁石を搭載したTEM試料ホルダーを試作した.4つの磁極をもつ構造とし,任意方向から任意の大きさの磁場を印加することに成功した.最大印加磁場は200Oeである.これは軟磁性デバイスの研究には十分な大きさである.基本ソフトウェアを作製し,印加磁場の制御を可能にした.矩形NiFeパターンを用いた磁気抵抗効果同時測定,円形NiFeを用いた磁区変化観察を行ない,性能評価を行なった.これらの結果を,国内会議において発表した. (2)圧力-電気測定同時評価用TEM試料ホルダー:半導体圧力センサーを搭載したTEM-STMホルダーを作製した.マウスを用いたSTM駆動部分のPC制御,また測定データと観察画像の同期化のためにビデオミキサーを導入し,システムを構築した.1μN(0.1mg重)の力を測定可能である.このことにより,電気測定用電極をそっと試料に接触させ,試料を破損することなく測定できるようになった.当初は単電子伝導測定に応用する予定であったが,測定試料の準備が整ったため,抵抗変化型メモリー(ReRAM)に適用した.Pr-Ca-Mn-OおよびNiOを用いた実験において抵抗変化時の構造変化(前者においては変化なし,後者においては伝導ブリッジの形成)を確認した.これらの結果を国内外において発表した.
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