2009 Fiscal Year Annual Research Report
マグネシウムの塑性変形における底面すべりと非底面すべりの因果関係
Project/Area Number |
21560688
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
安藤 新二 Kumamoto University, 大学院・自然科研究科, 教授 (40222781)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北原 弘基 熊本大学, 大学院・自然科研究科, 助教 (50397650)
|
Keywords | マグネシウム / すべり系 / 双晶 / 降伏応力 / 単結晶 / 転位 / 曲げ変形 / 圧縮 |
Research Abstract |
純マグネシウムおよびMg-0.5%A1合金単結晶を作製し,[0001]および[1010]圧縮試験を,293K-573Kの温度範囲で行った.[0001]圧縮では,いずれも2次錐面すべりにより降伏した.しかし,変形温度が上昇すると{1011}-{1012}2重双晶が活動的になり,降伏歪が減少した.すなわち,高温ほど塑性変形が抑制されるという特異な挙動を示す事がわかった. [1010]圧縮では,{1012}双晶により降伏し,歪約7%までは双晶によってのみ変形しており,それ以上の歪においては,結晶回転により[0001]圧縮と同じ変形挙動に移行する事がわかった.この変形においては,ほとんど底面すべりが関与しない事がわかった. 圧縮変形において,0.5%のアルミニウム添加は若干降伏応力を上昇させる事がわかった. 小型3点曲げ試験機を開発し,純マグネシウム単結晶の3点曲げ試験を行い,その変形過程を顕微鏡下でその場観察した。(0001)底面に平行に曲げ応力を付加すると,ほとんど底面すべりのみの活動で曲げ変形する事が明らかになった.底面に垂直に曲げると,底面すべりは活動できず,わずかな双晶変形の後破断した.[0001]に垂直に曲げる場合は底面すべりに双晶変形が合わさって変形することがわかった. 室温で多結晶材の引張試験を行った結果,引張応力が100MPa以下ではほとんど底面転位のみであるが,それ以上応力が作用すると2次錐面すべりの転位が活動していることから,2次錐面すべりの活動は延性の向上に寄与することがわかった.
|
Research Products
(3 results)