Research Abstract |
純マグネシウム単結晶を用いて,室温以上での変形メカニズムを詳細に調査した結果,293Kおよび473Kで[1120]引張試験では,従来通り,2次錐面すべりで降伏するが,その後{1011}1次錐面すべりも活動し,特に473Kでは変形の大部分を占めるようになる傾向が見られた Mg-0.5%AlおよびMg-0.5%Zn合金単結晶を作製し,[0001]圧縮試験を,293Kおよび473Kの温度範囲で行った.[0001]圧縮では,いずれも2次錐面すべりにより降伏した.Mg-Alは,293Kでは純Mgに比べ降伏応力はほとんど変化がないが,塑性歪が増加した.473Kになると降伏応力はわずかに増加する傾向があるが,塑性歪が大幅に増加することがわかった.Mg-Znでは,降伏応力が大幅に増加し,逆に塑性歪は減少した 多結晶材では,Mg-Alでは降伏応力はAl添加により緩やかに増加し,塑性歪は急激に増加する.この変化は,2次錐面すべりの変化の傾向と一致している.したがって,多結晶材における延性には,底面すべりより2次錐面すべりが強く関与している事が示唆される.またMg-Znでは,降伏応力はZnにより緩やかに増加し延性は逆に低下する.この傾向もMg-Zn単結晶の場合とほぼ一致している.したがって,Mg-Zn合金においても,底面すべりのみならず,2次錐面すべりが延性に強く関与している事が示唆された なお合金単結晶をブリッジマン法で作る場合,容易に核発生するため大きな結晶を得にくい.そこで,温度勾配を自在に制御できる電気炉を作製し,単結晶作製条件を検討した結果,凝固速度を2mm/hour程度まで遅くすると,曲げ試験などが出来る寸法の単結晶が得られる事が分かった
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