2011 Fiscal Year Annual Research Report
マグネシウムの塑性変形における底面すべりと非底面すべりの因果関係
Project/Area Number |
21560688
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
安藤 新二 熊本大学, 先進マグネシウム国際研究センター, 教授 (40222781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北原 弘基 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助教 (50397650)
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Keywords | マグネシウム / すべり系 / 双晶 / 降伏応力 / 単結晶 / 転位 / 曲げ変形 / 圧縮 |
Research Abstract |
純マグネシウム単結晶を用いて,非底面すべりの荷重軸依存性を調査するために,[1120]から6°,9°,18°傾いた方位の引張試験を行った.室温では,何れも2次錐面すべりで降伏するが,9°の方位のみ1次錐面すべりも活動する特異な挙動を示した.しかし523Kでは1次錐面すべりのみで変形し,40%以上の延性を示すことがわかった. Mg-0.5%AlおよびMg-0.5%Zn合金単結晶の[0001]圧縮試験を293Kおよび473Kの温度範囲で行った.293Kではいずれも2次錐面すべりにより降伏した.Mg-Alは,純Mgに比べ293Kの降伏応力はほとんど変化がないが,塑性歪が増加した.473Kでは293Kとほぼかわらないが、純Mgの結果と比較すると,わずか0.5%の添加で大きな降伏応力の増加を示すことが明らかになった.Mg-Znでも同様の傾向であり,非底面すべりには合金元素の影響が高温において強く出ることが明らかになった.なお延性に対しては,Alは延性を増加させるが,Znは低下させるという逆の傾向を示すことがわかった. 角柱単結晶の3点曲げした結果,曲げ面を底面に垂直にした場合は,双晶変形が僅かに生じた後破断したが,曲げ面を底面に平行にした場合,底面すべりが活動して割れること無く,容易に大きく変形した.後者の現象は曲げ応力の観点からは予想できない挙動である. また微小領域の変形を調査するために,球状圧子による圧痕の形成過程を調査した.圧痕は結晶によって形状が大きく異なる結果となった.その変形機構を分子動力学シミュレーションにより解析した結果,底面すべりと非底面すべりを組み合わせた変形過程で解釈できることを示した.
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Research Products
(6 results)