2010 Fiscal Year Annual Research Report
ランタノイドのオキシ水酸化物の結晶合成と機能性評価
Project/Area Number |
21560696
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
佐俣 博章 神戸大学, 海事科学研究科, 准教授 (90265554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 実 神戸大学, 海事科学研究科, 教授 (50206992)
永田 勇二郎 青山学院大学, 理工学部, 教授 (90146308)
小澤 忠 独立行政法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 主任研究員 (90450288)
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Keywords | 結晶成長 / オキシ水酸化物 / 光物性 |
Research Abstract |
本研究では、我々が独自に開発した結晶合成手法を駆使してランタノイドのオキシ水酸化物の良質な結晶を合成し、その結晶学的性質と量子収率を含む蛍光特性の評価、解析を行っている。特に、ガドリニウム(Gd)のオキシ水酸化物GdOOHをホスト相として、赤色発光中心となるユウロピウム(Eu)イオンをドープしたGd_<1-x>Eu_xOOH(x=0~1.0)の結晶において、照射光340nm以下の短波長領域で、ホスト相からEuイオンへのエネルギー移動に対応する母体増感が生じることを明らかにした。また、絶対PL量子収率測定装置により評価した量子収率が、x=0.1において最大27%となることなどを明らかにした。この蛍光結晶の量子収率の更なる向上のために、酸化物において特性改善が報告されているサマリウムやテルビウムなどの他のランタノイドイオンの同時置換を行った結晶を合成し、その蛍光特性評価を行った。しかしこれらのイオンの単なる同時置換では、特性改善が期待できないことがわかった。また、同系に対するパーコレーションモデルを用いた詳細な解析により、同物質内のEuイオン間では、三次元的なエネルギー交換が生じていることがわかった。量子収率の改善のためには、濃度消光により発光効率が低下するEu含有量をより高濃度側にシフトさせることが有効であり、そのためには層状構造物質内における発光中心イオン間で、二次元的なエネルギー交換のみが行われよう結晶構造を制御することが重要となる。そのような蛍光結晶の合成のために、置換型オシキ水酸化物の合成に着手し、様々な置換型結晶の合成条件を明らかにすることに成功している。
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