2010 Fiscal Year Annual Research Report
定常的連続結晶成長に基づいた高度配向結晶集合体の創製と光学機能向上
Project/Area Number |
21560698
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
紅野 安彦 岡山大学, 大学院・環境学研究科, 准教授 (90283035)
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Keywords | 結晶化ガラス / 結晶配向 / 非線形光学機能 / フレスノイト / 表面結晶化 |
Research Abstract |
研究第2年度においては、以下の実験研究を実施した。 1.フレスイト系における表面結晶化形態の微視的観察 研究初年度に実施した表面結晶化形態の観察および結晶化ガラスの酸溶解性調査の結果に基づき、フレスノイト系高配向結晶集合体の内部組織を走査型電子顕微鏡により観察し、電子後方散乱による回折パターンから結晶配向の分布を調査した。本年度の検討では、試料表面の研磨が不十分であることから回折パターンが明瞭でなく、正確な配向分布を決定するには至らなかったが、面内の結晶方位を同一にする領域が存在することが示唆された。今後、試料研磨等の条件を最適化する必要がある。 2.電気光学効果測定装置の構築と透明結晶化ガラスへの適用 母ガラスおよび透明結晶化ガラスへ電界を印加する処理系および光学系の構築を検討した。結晶化過程における結晶配向制御に適用できるものとし、電気光学効果を中心に機能評価に利用できるものとして設計した。 3.超音波表面処理の有効性確認と結晶配向性向上メカニズムの解明 フレスノイト系を含む複数の結晶化ガラスにおいて、結晶化前に目的結晶等の懸濁液中で超音波照射を行い,結晶化温度の低下、配向性向上、バルク形状の維持などの超音波表面処理による効果を確認し、最適な超音波処理条件を決定した。フレスノイト系においては、超音波処理後、ガラス転移温度領域での熱処理により効果が消滅することを見出し、超音波によるガラス表面の痕跡がガラスに起因することを示した。一方で、目的結晶懸濁液を使用した場合の効果が顕著であることから、結晶質の痕跡による配向性向上メカニズムを考慮する必要があることが示唆された。これらの寄与は、結晶化ガラス系により異なることが予想される。
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