2009 Fiscal Year Annual Research Report
ペロブスカイト酸化物固溶体におけるマイクロ-ナノ構造変調とマイクロ波誘電性の相関
Project/Area Number |
21560702
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
竹本 稔 Kanagawa Institute of Technology, 工学部, 准教授 (70288215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 裕美 豊橋技術科学大学, 研究基盤センター, 准教授 (00319500)
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Keywords | 誘電体物性 / セラミックス / 移動体通信 / イオン結晶 / 格子欠陥 |
Research Abstract |
調合組成が(Ba_<1-x>Ca_x)(Sc_<1/2>Nb_<1/2>)O_3であるペロブスカイト酸化物固溶体を研究対象とし、当該年度に実施した研究により次の結果を得た。 1.比誘電率の組成変化がこれまで不明であった0.2<x<0.3の範囲でxを0.01間隔で設定し、三人の実験者が同一手法で独立に試料を作製、マイクロ波誘電性を測定した。その結果、本系ではx=0.25で比誘電率が最大となることが分かった。 2.粉末X線回折、および反射電子像観察とエネルギー分散型分光測定の併用によって、1700℃で焼結した試料を1350℃で96h熱処理を行った。調合組成が0.38〓x〓0.9の試料はx~0.2相とx~0.9相に相分離することが明らかとなった。0〓x<0.38、0.9<x〓1.0の試料については、相分離は確認されなかった。 3.上記2で相分離が確認された試料の比誘電率はx=0.2およびx=0.9単一相試料の比誘電率の対数混合則による計算値とよく一致した。 4.1700℃焼結後、炉内で急冷すると極めて不純物の少ない試料が得られる。ただし、Bサイトイオンの規則配列化は抑制される傾向にある。 5.1700℃焼結後、炉内で通常の冷却を行った試料について、電子線回折によりBa(Sc_<1/2>Nb_<1/2>)O_3(x=0.0)は2×2×2の超格子構造を持つことが明らかになった。AサイトにおいてBaとCaはランダムに配列し、xの増加に伴いScとNbの規則配列化が進行する。
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