2010 Fiscal Year Annual Research Report
新しいスリランカイト型結晶化合物・固溶体ナノ粒子の創製,形態制御と応用
Project/Area Number |
21560703
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
平野 正典 愛知工業大学, 工学部, 教授 (60267888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 雄一 愛知工業大学, 工学部, 教授 (40234851)
服部 忠 愛知工業大学, 工学部, 客員教授 (50023172)
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Keywords | チタニア / アナターゼ / ルチル / ニオブ / スカンジウム / 相安定性 / スリランカイト |
Research Abstract |
チタンとイオン半径,電気陰性度が近似する元素において,チタンをニオブで置換し,電気的中性を保つためにニオブ置換量と同量の3価イオンとなりうる元素をチタンに共固溶させたチタニア結晶を水溶液中にて水熱条件下,ナノサイズ微粒子として直接合成した。生成物の結晶相の同定には,X線回折装置を使用し,透過型電子顕微鏡を用いて微粒子の粒子径・形態を観察した.また生成した試料のBET比表面積,拡散反射スペクトル,光触媒能などを測定し,アナターゼ結晶の相安定性を評価した.3価イオンとなりうる元素の違いによる共固溶させたチタニア結晶の生成組成領域,結晶構造(格子定数)の変化,光学的バンドギャップの変化,光触媒能,相安定性およびアナターゼからルチルへの相転移挙動などを調べた。ニオブとスカンジウムを共固溶させるとScTiNbO_6組成のアナターゼ型結晶が得られ,この結晶は大気中の加熱により,ルチル型結晶へは相転移せず,スリランカイト類似のα-PbO_2構造をもつほぼ単一相の新規な結晶組成物へ相転移した。アルミニウムやガリウムの場合は,スカンジウムと比較し置換固溶量も少なく,スカンジウムの場合とは異なる挙動を示した。相転移温度や他の性質はこれら共固溶した成分に依存して大きく変化した。
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