2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規希土類系酸化物の構造と機能発現メカニズムの解明およびダイナミクスに関する研究
Project/Area Number |
21560704
|
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
中野 裕美 Toyohashi University of Technology, 研究基盤センター, 准教授 (00319500)
|
Keywords | 希土類酸化物 / TEM / 高温TEM / 構造相転移 / 高温XRD / 結晶構造 / 発光特性 / その場観察 |
Research Abstract |
21年度の実施計画にもとづいて研究を遂行し、下記及び関連の研究成果を得ることができた。 1.ユニークな一次相転移のメカニズム解明 層状ペロブスカイトBaLn_2Mn_2O_7の相転移 これについては、高温XRDによってもBaPr_2Mn_2O_7がc-軸長のとびが確認でき、高温TEMと同様に一次相転移であることを確認した。また、BaEu_2Mn_2O_7については、高温TEMによるその場観察により、低温相中にc-面に平行に高温相が広がる様子を観察することに成功し、論文発表を行った。これらの解析結果から、Mn-O-Mn鎖のヤーンテラー効果による低温から高温への変化が明確になり、その他の希土類への波及効果が期待でき、次年度へ研究を継続する。次年度は液体窒素温度域まで変化させてその場観察を試みる。 2.新規希土類系酸化物の合成、構造解析および物性測定 LiNbO_3-Ti-希土類系固溶体の作成と新規機能性発現の試み LiNbO_3-Ti固溶解体(M-phase)は、ユニークな周期性構造を有することが知られているが、その相に希土類を固溶することで、発光特性が得られる研究成果を得た。とくにEu添加時に焼結温度や時間を変化させて周期構造の変化を調べ、周期構造をもたない時に比べて3倍高い発光強度が得られた。これらの成果は、論文にて報告した。次年度は、新規希土類酸化物の合成について、計算科学を取り入れた材料設計を行い、実験結果とあわせてさらに発展させる。
|