2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規希土類系酸化物の構造と機能発現メカニズムの解明およびダイナミクスに関する研究
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21560704
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
中野 裕美 豊橋技術科学大学, 研究基盤センター, 准教授 (00319500)
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Keywords | 希土類酸化物 / TEM / 高温TEM / 構造相転移 / 結晶構造 / 発光特性 / その場観察 / 組織・構造解析 |
Research Abstract |
22年度の実施計画に基づいて研究を遂行し、多くの成果を上げることができた。 1.ユニークな一次相転移のメカニズム解明 層状ペロブスカイトBaLn_2Mn_2O_7の相転移 BaTb_2Mn_2O_7について原子レベルでの一次相転移の様子を観察することに成功し、低温相中に高温相が出現し、全体に広がる様子をとらえることにより現象論的にもマルテンサイティックな一次相転移であることが証明できた。このような動的観察を含むこれまでの成果が認められ、日本セラミックス協会学術賞を受賞した。 2.新規希土類系酸化物の合成、構造解析および物性測定 2-1 Li-Nb-Ti-O系固溶体の作製と新規機能発現の試み 22年度はこれまで電気炉で24時間かけて 超構造を得たものをミリ波炉で1時間で合成することに成功し、学会にて報告し、現在論文を投稿中である。23年度はさらに低環境負荷プロセスによりより短時間で高い発光強度を得られる条件を検討する。また第一原理計算による計算科学を取り入れた材料設計を行っていき、発展させる予定である。 2-2 その他のペロブスカイト系の構造解析 ペロブスカイト構造を有するLaTiO_2Nの構造解析において、東京工業大学らとの共同研究により得られた成果が日経産業新聞に取り上げられ、また学会にて共著者がポスター賞を受賞した。複合的手法によりより正確な構造解析により今までに報告例のない新しい構造を有することがわかり、結合状態、電子密度の可視化により材料の発現機構を明らかにした。
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