2010 Fiscal Year Annual Research Report
強磁場中電気泳動堆積法を用いた配向積層セラミックスにおける亀裂進展制御技術の確立
Project/Area Number |
21560705
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
鈴木 達 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノセラミックスセンター, 主幹研究員 (50267407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
打越 哲郎 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノセラミックスセンター, 主席研究員 (90354216)
目 義雄 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノセラミックスセンター, センター長 (00354217)
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Keywords | セラミック / コロイドプロセス / 強磁場 / 電気泳動堆積 / 配向 / 積層 / アルミナ / 亀裂進展 |
Research Abstract |
セラミックスなどの材料の微構造組織制御において、機能に即した構造をデザインするために層状構造と結晶方位を組み合わせることは有用であり、特に結晶方位は重要な因子となる。本研究においては、(1)熱膨張係数の異方性に依存した残留応力を導入することによる亀裂偏向の制御、(2)亀裂進展時における亀裂進展方向と壁開面の方位関係の制御、(3)粒界性格の違いによる界面強度を考慮した亀裂進展性の制御、の3点に着眼した亀裂進展過程の解析により、単一組成での靭性などの機械特性を改善するための微構造組織をデザインすることを目指している。 機械特性を解析するための試験に必要な大きなサイズの試料を作製したところ、堆積直後や乾燥時に成形体に亀裂が生成する問題が生じた。成形体の乾燥速度を制御することにより亀裂の発生を防ぐために溶媒をエタノールからエタノールと水の混合溶媒とし、このときの水の含有量が成形性、配向に及ぼす影響について検討した。水分量を多くした場合には成形直後の密度が低下したが、EPD後に392MPaの冷間等方圧プレスを施すことで焼結体では水を含まない溶媒の場合と同等の密度が得られた。しかし、スラリー中の水の含有量が40vol%以上と多くなると、配向性が劣化することが明らかなった。 また、EBSDによる亀裂進展過程における方位解析を行った。90度層では引張りの残留応力となるために、亀裂がこの層に入るときには界面に垂直に進展するが、0度層で圧縮側に残留応力となり、この層に亀裂が入るときに偏向し界面に対して角度を持って進展することが分かった。また、EPDパラメータの制御とサスペンションの溶媒条件などの制御により配向層の厚さを配向角度毎に制御可能であることを実証した。
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Research Products
(13 results)