2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560706
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
大久保 忠勝 独立行政法人物質・材料研究機構, 磁性材料センター, グループリーダー (00242462)
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Keywords | 構造・機能材料 / ナノ材料 / 解析・評価 / 電子顕微鏡 / 3次元アトムプローブ |
Research Abstract |
機能性複合材料の元素添加、熱処理に伴うナノ組織構造、元素分布、結晶粒の分布状態の変化と、機械的特性、磁気的、電気的特性との機能性変化の関係を明らかにするため、SEM、TEM観察、3DAP分析を行った。具体的な成果の例を以下に示す。 1.Nd-Fe-B焼結磁石のマルチスケール組織解析 Nd-Fe-B系磁石は主相であるNd2Fe14BとNdリッチな粒界相から成る複合材料である。この磁石は、高温焼結後に行う低温熱処理によって、その保磁力が変化することが知られていた。この原因については未だ十分に理解されておらず、本年度は、この保磁力変化の原因を明らかにするため、SEM、TEM、3DAPによるマルチスケール解析を実施し、その組織や構成元素の分布明らかにした。その結果、保磁力が最大になる試料では、粒界相において非磁性元素であるNd組成が最大になることが分かった。 2.レーザーアトムプローブによるバルクセラミックス材料の組織解析 従来のアトムプローブは、その応用範囲が導電性材料に限定されていたが、近年、紫外光レーザーを用いることで半導体、絶縁体の解析が可能になった。本年度は、この手法を種々のセラミックス材料に応用し、定量的な解析を行うことに成功した。例えば、固体燃料電池材料として注目されているCeO2では、イオン導電特性の低下の原因として予想されていた粒界編析、粒内の組成変動について定量的な解析が可能になった。
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Research Products
(7 results)