2009 Fiscal Year Annual Research Report
強相関酸化物強磁性トンネル接合の低電流スピン注入磁化反転機能の開拓
Project/Area Number |
21560707
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
佐藤 弘 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, エレクトロニクス研究部門, 主任研究員 (50357141)
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Keywords | 強相関酸化物 / ハーフメタル / 磁性トンネル接合 / スピン注入磁化反転 / スピンSEM |
Research Abstract |
本研究では、低電流密度なスピン注入磁化反転素子を開発目標としており、スピン注入磁化反転の効率向上には、材料性能の向上、電極構造の最適化が重要である。電極材料には、スピン分極率がほぼ100%でハーフメタル特性を示す、強相関酸化物磁性体を用いる。電極構造の最適化は、実際に強相関酸化物磁性体電極を作製し、スピンSEMで直接観察することにより進めることを目指している。 本年度は、電極構造の最適化のため、特にサブミクロン寸法を有する電極構造を作製するため、電極作製プロセスにおいて、これまで研究を進めてきたフォトリソグラフィーではなく、電子線リソグラフィーを適用した。 試料には、実際に酸化物磁性トンネル接合に用いるLaSrMnO_3(膜厚50nm)にて、クレステック社製CABL9410電子線リソグラフィー装置を用いて実験を行なった。レジストにはZEP520A-7(膜厚30nm)を用いた。装置の故障で、十分な加速電圧を印加することができなかったが、300nm□寸法のリソグラフィーに成功した。 このサンプルに対し、通常、酸化物磁性トンネル接合を作成する際に用いる、ECRエッチング装置にてエッチングを行った。AFM/SEMでエッチング後の試料/レジスト構造を確認した所、LaSrMnO電極50nm程度をエッチングするのに十分なエッチング耐性を有していることがわかった。ただし、レジスト端部のラウンディングが確認されており、層間絶縁膜作製において問題となることが予想される。 以上より、プロセスの最適化は必要であるが、電子線リソグラフィーと既存のエッチングプロセスを組み合わせることにより、サブミクロン寸法を有する酸化物電極構造作製の見通しを得た。
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Research Products
(2 results)