2009 Fiscal Year Annual Research Report
応用展開のためのカーボンナノチューブーアルミナ複合材料の研究
Project/Area Number |
21560709
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大森 守 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 技術補佐員 (30005954)
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Keywords | カーボンナノチューブ / アルミナ / 水酸化アルミニウム / 肉厚多層カーボンナノチューブ / 前躯体 / 放電プラズマ焼結 / 無加圧焼結 |
Research Abstract |
カーボンナノチューブとアルミナとから複合材料を合成する研究に関して以下の三つのことを行ってきた。 1.カーボンナノチューブのアルミナマトリックス中への分散 複合材料を合成するのに使用したのは原料の選択が重要であると分かったので、本研究ではアルミナの前躯体である水酸化アルミニウムと、カーボンナノチューブには剛性が大きく凝集しにくい肉厚多層カーボンナノチューブ(日本でのみの生産)を選択して使用した結果、カーボンナノチューブが均一に分散された複合材料の合成に成功した。しかし、この分散の均一性は完全でなかった。水酸化アルミニウムと肉厚多層カーボンナノチューブを、水を使ってスラリーを作り、この粘土を調整することで、均一分散に近づけることが分かってきた。 2.無加圧法での複合材料の焼結 加圧焼結法で得られるのは単純形状の製品あり、複雑形状のものを得ることは不可能である。さらに生産性が低いためコストが高くなる。広い応用を考えると無加圧での製品を焼結する必要がある。二つの原料に水を加え、添加物を加えて粘土を調整し、これを成形して生成形体とし、乾燥してから低温焼成で水酸化アルミニウムを分解する時、多くのひび割れが発生する。このひび割れの発生を防ぐ条件を捜している。 3.複合材料を応用した製品の開発 複合材料を製品へ応用する例として人工股関節のライナーがある。このライナーは従来超高分子量のポリエチレンで作られてきた。しかし、これは使用中に磨耗し10年以上になると壊れることが多く、多くの場合再手術が必要になる。交換の必要のないライナーの開発が求められている。このライナーは加圧法ですぐに使える形に焼結できので、それを放電プラズマ焼結法で合成を試み成功している。
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Research Products
(9 results)