2009 Fiscal Year Annual Research Report
安全・安心なマルチフェロイック型センサ/アクチュエータ素子の開発
Project/Area Number |
21560727
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
矢島 善次郎 Kanazawa Institute of Technology, 工学部, 教授 (60148145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸 陽一 金沢工業大学, 工学部, 准教授 (70265370)
池永 訓昭 金沢工業大学, ものづくり研究所, 研究員 (30512371)
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Keywords | インテリジェント材料 / 非平衡相薄膜 / 形状記憶合金 / DLC |
Research Abstract |
TiNi合金薄膜を得るスパッタリングとDLC膜を得る三次元イオン注入成膜を同一装置で実現するために,既設の多元素同時スパッタリング装置に,プラズマ生成ガス導入機構,プラズマ生成機構,パルス電圧印加機構などを取り付けてDLC膜を得るためのPBII&D(Plasma-Based Ion Implantation and Deposition)機構を追加した.このような装置構成の変更にともなって変化するであろう装置の基本性能(排気速度,到達真空度,スパッタリング時の成膜速度など)を確認するために,TiNi合金薄膜とDLC膜をそれぞれ単独で合成した.排気速度及び到達真空度に関しては装置構成変更前と同等の性能を有していること,TiNi合金薄膜の合成速度も変更前と同等であることを確認した.この装置構成によってTiNi合金薄膜の低温合成実験を行ったところ,基板温度が150℃程度であっても結晶化したものが得られ,良好な形状記憶特性を有していることを確認した.従来の装置より約50℃も基板温度を低減することができたので,装置構成の変更と成膜プロセスの再検討が有効であったと考えている.また,新たに付与した機構によって得るDLC膜の成膜速度は15nm/min程度で,成膜時の基板温度は100℃以下であることも確認できた.本装置で得たDLC膜の密着強度,硬さなどの基本特性は,DLC膜合成専用装置で得たものと同等であることも確認できた.
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