2011 Fiscal Year Annual Research Report
金属水素分離膜のAEウェーブレット解析による構造ヘルスモニタリングと脆化機構解明
Project/Area Number |
21560731
|
Research Institution | Oita National College of Technology |
Principal Investigator |
松本 佳久 大分工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (40219522)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯川 宏 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教 (50293676)
南部 智憲 鈴鹿工業高等専門学校, 材料工学科, 准教授 (10270274)
|
Keywords | 水素 / 新エネルギー / 燃料電池 / 金属物性 / 構造・機能材料 / 水素透過 / 水素脆化 / AE |
Research Abstract |
本課題では,AEその場膜破壊検出装置付強度測定システムに四重極質量分析計を加え,ガス分離性能を評価するための拡張を行うこと,また,メンブレンリアクター内想定擬似応力状態下で水素分離膜の強度評価とAE原波形解析による局所変形・破壊解析を行い,それらの情報を金属薄膜の創製と耐久性向上に活用することを目的として研究を展開した。最終年度までに得られた結果を以下に要約する。 (1)膜強度と構造転移特性の関係の評価 温度や水素圧力等の環境負荷を水素分離膜に与え,その静的膜破壊時のき裂発生・進展時の特徴をAE原波形解析にて把握した。例えば,Nbについて原波形の時間-周波数解析を行った結果,転位移動や固着転位開放に伴うAE信号は概ね200kHzに分布していたが,同試料を水素圧力負荷し,水素脆性破壊させると,300kHz以上の周波数成分も検出され,脆化機構考察に有効な情報を得た。また各種Nb合金,V合金およびTa合金などのbcc単相水素分離膜の構造ヘルスモニタリングにも本手法が有効であった。 (2)in-situガス分析とAE解析による耐久性評価手法の確立 四重極質量分析計によるガス分析システムを構築した後,圧延等による薄膜化により高流量が得られた水素分離膜について,膜割れが原因である水素リーク発生の検出が可能となり,上記AE解析とのリンクにより統合耐久性評価システムとしてこれが有効に機能することを確認した。 (3)長時間耐久性を有する金属薄膜の創製 Pd/熱拡散防止酸化物中間層/5族金属(応力・固溶水素濃度緩和空間層としても機能)の構造により耐水素脆性を有する長時間水素透過性能が維持可能な,パフォーマンスチューンド合金膜の数種を設計・製作した。また構築したその場膜破壊検出装置を用いた耐久性評価試験を行って,新しいbcc単相合金膜の提案とその推奨負荷水素圧力を提示した。
|
Research Products
(17 results)