2010 Fiscal Year Annual Research Report
欠陥・組成制御した環境共生型マグネシウム系熱電材料の高性能化
Project/Area Number |
21560732
|
Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
磯田 幸宏 独立行政法人物質・材料研究機構, 環境・エネルギー材料萌芽ラボ, 主任研究員 (80354140)
|
Keywords | Mg_2SiSn / 置換型欠陥 / 液-固相反応合成法 / 熱電特性 / 輸送特性 / 伝導型 |
Research Abstract |
Mg_2SiSn系熱電半導体における元素置換による置換型欠陥導入により生成するキャリアの輸送特性と伝導機構の解明と熱電特性への影響を調べるためにMg_2Si_<0.25>Sn_<0.75>組成にMgとの置換元素としてLiまたはAgをそれぞれ添加した化合物を液-固相反応合成法とホットプレス法を併用して作製した。得られた合成物はXRD解析から添加量25000ppmまでは単相であることがわかった。しかし、これ以上の添加量ではホットプレス時にMg_2Snが流出することからMgサイトにおける固溶限が添加より狭くなっていることがわかった。添加試料は全てp型伝導を示し、添加元素により正孔が生成されることがわかった。また、真性領域温度では励起された電子が優勢となりn型伝導に変化した。Li添加試料における室温の熱電特性は、無添加試料のゼーベック係数が475.9μVK^<-1>で、添加量が増加するに伴って減少し、25000ppm添加試料では183.6μVK^<-1>となった。比抵抗は無添加試料で5.27×10^<-3>Ωmと大きいが、25000ppm添加で3.84×10^<-5>Ωmと約一桁減少した。しかし、熱伝導は無添加で2.39Wm^<-1>K^<-1>であるが、25000ppm添加の2.65Wm^<-1>K^<-1>まで添加量の増加とともに大きくなった。熱電性能は、Z=3.3×10^<-4>K^<-1>となった。一方、Ag添加試料では25000ppm添加では144.7μVK^<-1>であるが、比抵抗は2.74×10^<-5>ΩmとLi添加よりもわずかに減少した。熱伝導率はLi添加よりも小さく無添加試料と同程度であった。熱電性能はLi添加試料とほぼ同じであった。
|
Research Products
(5 results)