2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560734
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
田中 義久 National Institute for Materials Science, ハイブリッド材料センター, 主幹研究員 (60343844)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 哲 独立行政法人物質・材料研究機構, ハイブリッド材料センター, 主席研究員 (10354169)
劉 玉付 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任准教授 (80354223)
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Keywords | バイオ材料 / マルチスケール変形 / その場観察 |
Research Abstract |
ナノ~ミリレベルのマルチスケールひずみ計測手法の検討を行い、マクロ変形破壊現象とナノ構造効果との関連性を定量的に解明することを試みる。用いる材料は、有機-無機ナノ積層構造を持つバイオ材料を対象とし、マクロ変形破壊挙動に及ぼすナノ構造効果の影響因子を明らかにしその力学特性発現機構を解明することを目的としている。当該年度では、ナノ変形の定量評価技術の開発を行うことを目的に、マルチスケールパターン作製技術の探索とマルチひずみ計測手法の検討を行った。物質・材料研究機構所有の電子線リソーグラフィ描画装置を用いて、マクロ~ナノスケールでパターンを観察出来る技術を開発し、この成果を特許として出願した(歪み計測用パターン、出願番号:特願2009-173048)。このパターンを複雑なナノ構造を持つ複合材料の変形挙動に応用し、1本の試験片を用いてナノ~ミリのマルチスケールでの変形挙動およびひずみ分布を定量的に評価可能であることを検証した。さらに、ナノ~ミリスケールでの高分解能で観察出来る環境型電界放射型電子顕微鏡のチャンバー内で負荷中におけるその場観察が可能なマイクロ負荷デバイスの設計と試作を行った。このデバイスを用いてナノ構造を持つ金属材料に適用し変形挙動のその場観察を行った結果、マクロ的には均一変形挙動を示すが、スケールが小さくなるに従い不均一変形挙動が顕著に現れてくること、そのひずみ量はマクロ的なひずみ量の約4倍大きい領域も存在することを明らかにした。またこれらの不均一変形挙動は、材料のナノ組織構造に依存した局所不均一変形であることが明らかとなった
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