2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560734
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
田中 義久 独立行政法人物質・材料研究機構, ハイブリッド材料センター, 主幹研究員 (60343844)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 哲 独立行政法人物質・材料研究機構, ハイブリット材料センター, 主席研究員 (10354169)
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Keywords | バイオ材料 / マルチスケール変形 / その場観察 |
Research Abstract |
有機-無機ナノ積層構造を持つバイオ材料のマクロ変形破壊挙動に及ぼすナノ構造効果の影響因子を明らかにしその力学特性発現機構を解明することを目的としているものである。そのアプローチとして、ナノ~ミリスケールでの異なるディメンジョンにおけるマルチスケール変形・ひずみ計測を行うため、物質・材料研究機構所有の電子線リソーグラフィ描画装置を用いて計測用マルチスケールパターンを開発し特許として出願した(歪み計測用パターン、出願番号:特願2009-173048)。また、ナノ~ミリスケールで観察可能な高分解能電界放射型電子顕微鏡とマイクロ負荷デバイスとを組み合わせることにより、その場観察でのデータ取り込みと画像解析による変形・ひずみ分布評価のシステムを構築した。この成果を複雑な階層構造を持つ複合材料のマルチスケール変形・ひずみ分布の定量評価に応用し、直径数ミクロンの強化繊維とマトリックスとの界面、数百ミクロンの異なる積層間での界面などにおける不均一変形・ひずみ分布をマルチスケールで計測・評価できることを実証した。本手法を有機-無機ナノ積層構造を持つバイオ材料の試験片上にパターン描画を試み、ナノフラクタルパターンを作製することに成功した。低真空電界放射型電子顕微鏡(LV-FE-SEM)の試料室内にマイクロ負荷デバイスに試験片を取り付け、負荷を与えながらその場観察を行いマルチレベルで画像データを取り込んだ。変形前後の画像データからマルチレベルひずみ分布解析を行った。その結果、数十ナノ厚さの有機層界面に局所不均一変形が作用することを実験的に捉えることに成功した。
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