2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560735
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
篠原 嘉一 National Institute for Materials Science, 環境エネルギー材料萌芽ラボ, グループリーダー (70343853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 義雄 独立行政法人物質・材料研究機構, 環境エネルギー材料萌芽ラボ, 主幹研究員 (40354138)
磯田 幸宏 独立行政法人物質・材料研究機構, 環境エネルギー材料萌芽ラボ, 主任研究員 (80354140)
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Keywords | 高分子 / 熱電特性 / ポリチオフェン |
Research Abstract |
本研究課題では、大気中で安定な導電性高分子であるポリチオフェン系を対象として、ポリチオフェン分子間の導電機構を支配する因子を解明し、この導電機構が熱電特性(ゼーベック係数、導電率)に与える影響を基礎的に明らかにすることを目的とする。平成21年度は、まず、側鎖基および末端基としてアルキル基を配位させたポリアルキルチオフェンを有機合成し、有機合成したポリチオフェンを溶剤に溶かしてキャスト膜を作製して、熱電特性と導電機構の評価を実施した。以下の結果が得られた 1)ポリアルキルチオフェンにヘキシル基、オクチル基およびドデシル基のアルキル基を配した場合、側鎖分子の分子量が大きくなるに従って電気伝導率は小さくなり、それに伴って出力因子(=(ゼーベック係数)^2×(電気伝導率))も小さくなる傾向を示す。 2)88~400Kの温度範囲において、いずれも最近接間ホッピングを示し、温度上昇と共に電気伝導率が飛躍的に大きくなる傾向を示す。以前の研究において、側鎖を有しないポリチオフェンがバリアブルレンジホッピングを示したのとは対照的である。 3)主鎖分子間のキャリア伝導機構は最近接間ホッピングの場合は、主鎖間距離が大きくなるに従ってホッピングに要するエネルギーが高くなるため、出力因子が小さくなる傾向にある。
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