2009 Fiscal Year Annual Research Report
パワー半導体素子用熱交換システムのハイブリッド化に関する研究
Project/Area Number |
21560741
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
荘司 郁夫 Gunma University, 大学院・工学研究科, 教授 (00323329)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 真司 群馬大学, 大学院・工学研究科, 助教 (70414109)
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Keywords | 電子デバイス・機器 / 微細接続 / 表面・界面物性 |
Research Abstract |
本研究は、自動車や新幹線等の輸送機器のモーターの制御装置(インバータ)等に使用される「パワー半導体素子」の冷却システムの高効率・軽量化を目的として、放熱部材にAl合金を、熱交換部材にCu合金を用いる水冷ハイブリット軽量熱交換システムの開発を目指す。具体的には、Al合金の表面に無電解Ni-Pめっきと電解Cuめっきを施し、Cu合金部材とのハイブリット化を可能とする接合技術の開発を行い、優れた耐熱信頼性を有する軽量熱交換システムの創製を目的とする。平成21年度は、Ni/CuめっきAl合金とCu合金をフラックスレス接合するための最適接合条件(接合温度・時間、負荷荷重、接合部表面の表面改質)を探求することを目的とし、Geを微量添加したSn-0.7Cu-0.05Ni(mass%)はんだ箔を用いてラップジョイント接合体を形成し、接合強度および接合部のミクロ組織を調査した。 その結果、ミクロ組織及び接合強度に対しては、接合温度の影響が大きいことが明らかとなった。接合温度250℃では、接合界面での反応が十分に進行せず、接合強度は20MPa程度の低強度となった。接合温度350℃では、接合部のほぼ全体がCu-Sn系の金属間化合物に変態し、界面にはCu-richな金属間化合物層も生成した。更に、接合部中にはボイドの生成もみられ、そのようなミクロ組織では接合強度が25MPa程度しか得られないことが明らかとなった。一方、接合温度300℃では、接合部に一部はんだ成分が残存し、接合時間20min、負荷荷重0.2MPaにて、最大接合強度33.4MPaが得られることがわかった。また、接合部材の表面改質については、Sn及びCuの接合表面をギ酸により表面改質することにより、接合温度160℃程度にて、母材であるSnの接合強度が得られることを明らかにし、低温固相接合の可能性を見いだした。
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Research Products
(3 results)