2012 Fiscal Year Annual Research Report
レアメタル危機対応型ナノ・メゾ構造制御WC炭化物の創成による新超硬合金の開発
Project/Area Number |
21560751
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
森下 政夫 兵庫県立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60244696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 宏明 兵庫県立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40326301)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 溶液法 / 気相炭化法 / 二酸化炭素 / アルミニウム廃材 / 省資源 / リサイクル / ナノ構造 / 都市鉱山 |
Research Abstract |
タングステン炭化物(WC)を、コバルト(Co)で結合した超硬合金は、切削工具や金型として、自動車産業などを支えている。しかしながら、その主成分であるWの価格は高騰している。本研究では、W使用量を削減した超硬合金の製造を目的とした。 W錯体およびCo錯体を水溶液とし、熱分解と水素還元により、W格子中Co原子を強制固溶した合金粉末を作製した。一酸化炭素(CO)を用いて、合金粉末を低温炭化すると、60 nmのコバルトドメイン群を内包するWCが生成することを見出した。この新規WCに結合相Co粉末を加え、88.36mass%WC-11.64 mass%Co超硬合金を作製した。液相焼結中、コバルトドメインが溶融、WC粒子を分断し、WCの平均粒径は500 nmとなった。この超微粒超硬合金のビッカ-ス硬さはHv1663であり、WC粒径1-2ミクロンの95.5 mass% WC-4.5 mass% Co の従来材に匹敵した。7mass%のWCの削減に成功した。 炭素原料として二酸化炭素(CO2)を用いる試みも実施した。アルミニウム廃材を用いて、電気炉中、CO2を浸炭性の一酸化炭素ガス(CO)に転換し、Co強制固溶W合金粉末と反応させ、金属Coドメイン内包WC炭化物を創成した。 コバルトナノドメイン内包WCを用いると、Cr3C2やVCなどの特殊な組織微細加剤を必要とせず、超微粒超硬合金を作製できる。したがって、元素循環のリサイクル性にも優れている。WとCoを回収する目的でアルカリハライド-アルカリ硝酸塩混合溶融塩浴を開発した。この溶融塩浴中773 Kで超硬合金を溶融、その後の後処理により、純Wと純Coに分離回収することに成功した。 以上、W使用量を削減した超硬合金を作製し、その超硬合金からWとCoを分離回収する技術を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)