2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560756
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
久保田 正広 Nihon University, 生産工学部, 教授 (90318379)
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Keywords | チタン / 粉末冶金 / 生体材料 / メカニカルミリング / メカニカルアロイング / 放電プラズマ焼結 / 機械的性質 / X線回折 |
Research Abstract |
チタン系生体材料の機械的特性や生体適応性を飛躍的に向上させることを目的に,平成21年度は純チタン粉末を出発原料とし,粉末冶金法でバルク材を作製し,種々の特性を評価した.さらに,骨の成分であるハイドロキシアパタイトとの複合化にも取り組んだ.以下に研究成果の概要を記する. メカニカルミリング(MM)法と放電プラズマ焼結(SPS)法を組み合わせたプロセスおよびミリング助剤として用いる安価なステアリン酸とMM処理中の大気に含まれるユビキタス元素を利用して,低コストかつ高強度を有する生体材料用純チタンの創製を試みた.作製したMM粉末とSPS材の特性を評価した.Ar雰囲気と比較してAir雰囲気のMM処理によって,粉末は27%以上微細化し,硬さは15%程度高い値を示した.SPS材においても硬さは13%以上向上した.レアメタルなどの高価な合金元素を用いずに,加工プロセスとユビキタス元素を利用して,低コスト・高強度を有する生体材料用純チタンを創製できる可能性を示した. 純Ti粉末にHAp粉末を添加し,MA処理を施して,得られた複合粉末をSPS装置で固化成形した.MA処理を施してもTi-10 HAp粉末およびTi-20 HAp粉末では,HAp粉末が固相分解せずに存在し,Ti-30 HAp粉末では,固相反応および固相分解によりCaTiO_3, CaOが生成した.HAp粉末を添加し,MA処理を施した粉末から作製したSPS材では,CaO, TiCが生成した.さらに,MA 8h施したTi-30 HAp SPS材では,CaTiO_3, TiNの生成により最も高い硬さ1710HVを示した.純Ti粉末にHAp粉末を添加し,MA処理を施し,得られた粉末をSPS装置で固化成形する加工プロセスは,固溶強化と分散強化の2つの強化機構を同時に作用させ混合粉末およびSPS材の硬度を著しく向上させることが可能である.
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Research Products
(3 results)