2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560756
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
久保田 正広 日本大学, 生産工学部, 教授 (90318379)
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Keywords | チタン / 粉末冶金 / 生体材料 / メカニカルアロイング / メカニカルミリング / 放電プラズマ焼結 / 機械的性質 / X線回折 |
Research Abstract |
チタン系生体材料を粉末冶金法で作製し,主にその機械的特性と組織を明らかにすることを目的に昨年度に引き続き本年度は,純チタン(Ti)と骨の成分であるハイドロキシアパタイト(HAp)を複合化し,その特性の評価に取り組んだ.純Ti粉末にHAp粉末を添加し,MA処理を施して,得られた複合粉末をSPS装置で固化成形した.血処理して得られたTi-HAp粉末の表面には微細な凹凸構造が確認され,平均粒子径はHAp添加量の増加と共に大きくなった.SPS材の硬さは,HAp無添加のSPS材と比較して,500HV以上の高い値を示した.純TiおよびHApに共通の元素を含むCaTiO_3が固相反応によって生成したことにより,HAp成膜時の連続した良好な界面の構築と残留応力差の緩和に寄与し,HAp膜の密着性を大幅に改善させることが期待できる,使用部位や使用期間によって,要求される機械的特性が異なる生体材料に対して,MA処理時間およびHAp添加量をコントロールすることで設計仕様に応じた硬度レベルを有するバルク材を提供することが可能である. さらに本年度は,MA-SPSプロセスにより高強度および低ヤング率Ti-Mg合金の創製を目的として,MA処理して得られた粉末をSPS装置で固化成形した.作製したMA粉末およびSPS材の硬度および構成相を評価した.Ti-Mg粉末の硬さは,MA処理時間の増加に伴い向上したが,純マグネシウム添加量の増加に伴い減少した.Ti-10Mg粉末を焼結温度873Kで作製したSPS材で最も高い硬さ376HVが得られ,MA処理していない純Tiを焼結温度1073Kで作製したSPS材よりも約100HV高い硬さが得られた.Ti-Mg SPS材の純Mg添加量および焼結温度をコントロールすることで設計仕様に応じたバルク材の硬度レベルを提供することが可能である.また,同時にヤング率の制御も可能であることが示唆された.
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Research Products
(10 results)