2011 Fiscal Year Annual Research Report
自己修復型耐酸化機能を有する新規高耐食性Mo-Cr系窒化物バルク体の創製
Project/Area Number |
21560761
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Research Institution | 公益財団法人応用科学研究所 |
Principal Investigator |
長江 正寛 公益財団法人応用科学研究所, 第一研究室, 主任研究員 (60304341)
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Keywords | 窒化物固溶体 / 直接通電加圧焼結 / モリブデン窒化物 / クロム窒化物 / 耐食性 / 耐酸化性 |
Research Abstract |
本年度は,主としてSiフリーMo-Cr系窒化物バルク体の沸騰硫酸環境下での耐食性について検討した. 前年度の結果から,Mo_2N-CrN混合粉体の作製を湿式ボールミルにて行うと,SiC製ボールからのSiの混入が認められ,これが焼結体の耐食性等に悪影響を及ぼすことが示唆された.そこで本年度は,ボールミル混合の代わりに,乳鉢を使用した混合によってMo_2N-CrN混合粉体を作製し,SiフリーMo-Cr系窒化物バルク体の作製を試みた.前年と同様に,0~100wt%のCrNを含むMo_2N-CrN混合粉体を直接加圧通電により焼結した(直径30mm,高さ20mm).得られた焼結体を放電加工により2.0×10×10mmの形状に切断し,エメリー紙により表面の酸化層を研磨除去した.焼結体の密度はいずれも前年度作製したSi含有焼結体に比べて高い値を示し,97%以上の高い相対密度が得られた.85wt%沸騰硫酸中での耐食性を検討した結果,Siフリー焼結体は前年度作製したSi含有焼結体に比べて優れた耐食性を示す事が分かった.特に,Mo_2N-39%CrN焼結体については,前年度は,腐食試験後に腐食生成物の生成が認められたが,今年度作製したSiフリー焼結体では腐食試験後も金属光沢が保たれており,Siフリー化による耐食性改善の効果が顕著に認められた.
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Research Products
(2 results)