2009 Fiscal Year Annual Research Report
極短パルスコヒーレント光による半導体の超高速キャリア励起と相変化に関する研究
Project/Area Number |
21560762
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Research Institution | Institute for Laser Technology |
Principal Investigator |
藤田 雅之 Institute for Laser Technology, レーザー加工計測研究チーム, 主席研究員 (30260178)
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Keywords | 結晶・組織制御 / レーザー加工 |
Research Abstract |
照射レーザフルーエンスに対するSiの加工レートの依存性を定量化することにより、実効的光侵入長を求めた。波長1.55μm、パルス幅870fsのレーザーを用いて実験的に加工レートの照射フルーエンス依存性を求め、理論式にフィッティングすることにより加工しきい値600mJ/cm^2、実効的光侵入長59nmが得られた。波長1.55μmの光に対してはSiは透明であるが、高ピーク強度の光を照射すると表面にキャリアが励起され試料と光の相互作用深さが変化した。波長1.55μmの光のフォトンエネルギーはSiのバンドギャップよりも小さいため、多光子吸収によるキャリア励起の結果であると考えられる。実験で得られた加工しきい値近傍の照射強度で波長1.55μm、パルス幅870fsのレーザーを単結晶Siウェハに照射しアモルファス化させ透過型電子顕微鏡によりアモルファス層を観察した。厚さ63nmの均一なアモルファス層の形成が確認でき、実効的光侵入長との良い一致が見られた。この時、アモルファス化のしきい値は190mJ/cm^2であった。ポンプ-プローブ光学系を改造して、時間遅延をもうけたダブルパルス照射をSi試料に対して行い、フェムト秒パルス照射で顕著に観察されるナノ周期構造の形成を調べた。パルス間隔を200fs~100psまで変化させ、照射後の試料表面を走査型電子顕微鏡で観察した。パルス間隔が長くなるほど、照射スポット中心部に溶融が確認されたが、顕著な周期構造形成の変化は見られなかった。
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Research Products
(1 results)