2010 Fiscal Year Annual Research Report
超平坦化CMP能を有するセリア複合ソフト研磨材の開発
Project/Area Number |
21560766
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Research Institution | Kumamoto Industrial Research Institute |
Principal Investigator |
永岡 昭二 熊本県産業技術センター(ものづくり室、材料・地域資源室、食品加工室), 材料・地域資源室, 研究主幹 (10227994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊原 博隆 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (10151648)
堀川 真希 熊本県産業技術センター(ものづくり室、材料・地域資源室、食品加工室), 材料・地域資源室, 研究員
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Keywords | 研磨材 / セリア / セルロース / ダイヤ / ポリマー / アミノ基 / カルボキシル基 / 透明導伝膜 |
Research Abstract |
ガラス材用研磨材として汎用されている酸化セリウムは、シリカ系やアルミナ系の研磨材に比べて硬度は低いが、その格子欠陥とガラスの間のCe-O-Si結合による化学作用によって、他の研磨材では得られない研磨特性を示す。セリア自体の化学作用のみでは、研磨速度が遅いために、研磨液に環境に負荷をかける化学作用剤を投与するのが現状である。先に、申請者らは無機材料とセルロースを複合粒子化し、表面電荷との関係から、粒子表面の機能を調節できることを確認した。さらに従来のダイヤ研磨と比較して、ポリマーの緩和作用により、シリコンウエハに加工痕を残さず、鏡面化できることを確認している。ポリマーの緩和作用が複雑な異種材料が共存するガラス面の精密研磨に良好な環境を与えると考え、粒子表面に、1)カチオン性および、2)アニオン性の官能基を導入して、透明導電膜などのソフトな面を削る研磨材にも応用展開を図った。 具体的には、ポリマービーズの表面へアミノ基の導入を行い、ガラス研磨のエッチングが可能な表面を持つ、アミノ化ポリマービーズを調製した。アミノ化ポリマービーズを用いて、回転式研磨装置により、石英ガラス研磨を行ったところ、基材の表面粗さが改善され、アミノ基の効果を確認した。アミノ化ポリマービーズと同様に、カルボキシル化ポリマービーズを調製したが、水中で凝集してしまい、研磨性能の向上は見られなかった。 アミノ基導入量が3.8~4.6meq/gのアミノ化ポリマービーズを用いて、透明導電膜の研磨を行ったところ、表面粗さの改善により、導電性が向上することを確認した。異なる3種類の粒径(8、15、30μm)のアミノ化ポリマービーズを用いた場合、粒径15μmのものが最適であり、高い研磨効果を確認できた。
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