2011 Fiscal Year Annual Research Report
(加水分解ナノ粒子・高導電性ポリマー)コンポジットを用いた次世代型鉛蓄電池
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21560768
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
田口 正美 秋田大学, 大学院・工学資源学研究科, 教授 (90143073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 英司 秋田大学, 大学院・工学資源学研究科, 准教授 (40302260)
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Keywords | 鉛蓄電池 / 二次電池 / 二酸化鉛 / ナノ粒子 / 導電性ポリマー / コンポジット電極 |
Research Abstract |
新型鉛蓄電池の作製と電池特性の評価を行った.(1)PbO 2ナノ粒子を活物質としたハイブリッド型正極:加水分解で調製したPbO 2ナノ粒子の卓越した反応活性は,鉛蓄電池を中心とした国内外の電池メーカーの注目度がきわめて高い.そこで,ナノスケールPbO 2あるいは従来型PbO 2の外部にナノスケールPbO 2を塗布したハイブリッド型正極を試作し,5時間率放電試験ならびに充放電サイクル試験を実施した.従来型正極では,充放電反応に伴う質量変化がハイブリッド型正極に比較して小さく,サイクルを重ねるごとに質量が次第に増加した.この現象は,放電生成物のPbSO 4が充電過程で完全にPbO 2に戻ることができず,正極内部にPbSO 4が残存した結果と解釈される.これに対し,ハイブリッド型正極では,充放電を繰り返しても質量はゼロ付近で安定しており,充放電反応の可逆性が向上したことがうかがえた.その結果,電流効率ならびに活物質利用率とも従来型正極に比してハイブリッド型正極の方が高い値を示し,ナノスケールPbO 2を活物質とした新規鉛蓄電池正極の優位性が確認できた.特に充電過程において電流効率が26.7→34.5%,活物質利用率が2.90→3.74%へと大幅に上昇していることから,充電可逆性に優れる新型鉛蓄電池が開発できると判断された.(2)(PbO 2ナノ粒子・導電性ポリマー)コンポジットを用いた新型鉛蓄電池:PbO 2ナノ粒子およびポリアニリンを主体としたコンポジットを両極として,電解酸化・還元により新型鉛蓄電池を作製した.新型鉛蓄電池では充放電反応の進行を確認できたが,実効的な活物質/電解液界面が乏しく,その放電容量は現行の鉛蓄電池に比較して小さな値にとどまった.今後は,導電性ポリマーにおけるPbO 2ナノ粒子の分散性と活物質/電解液界面への電解液の浸透性を改善し,新型鉛蓄電池の放電容量の増加に結びつけたい.
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Research Products
(6 results)