2009 Fiscal Year Annual Research Report
刺激応答型ユニマーミセルを用いた内分泌攪乱化学物質の分離システムの開発
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21560778
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| Research Institution | Hiroshima University |
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Principal Investigator |
迫原 修治 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 教授 (80108232)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯澤 孝司 広島大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60130902)
後藤 健彦 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教 (10274127)
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| Keywords | ユニマーミセル / pH応答性 / プラズマ開始重合法 / グラフト / ポリプロピレン不織布 / ビスフェノールA / 吸着 / 疎水性相互作用 |
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| Research Abstract |
本研究は、刺激に応答して単一高分子鎖でミセルの形成(ユニマーミセル)および崩壊を起こす特殊なポリマーをプラズマ開始重合法によって基材にグラフトし、低濃度の内分泌撹乱化学物質の新規な分離システムを構築することを目的としている。本年度は、pH応答型ポリマーである12-メタクリルアミドドデカン酸のナトリウム塩(NaMmD)と2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸のナトリウム塩(NaAMPS)の共重合ポリマーに関して、pHに応答したミセルの形成・崩壊を確認すること、このポリマーをポリプロピレン(PP)不織布ヘグラフトし、代表的な内分泌撹乱化学物質のビスフェノールA(BPA)のpHスイングによる吸・脱着特性を検討することを目的とした。このポリマーはpHが10以下になるとミセルを形成し、pHがさらに低下するとミセル同士の凝集体を形成するが、これらはNaAMPSとNaMmDとの共重合比に大きく依存した。このポリマーのPP不織布へのグラフトは問題なく行われ、これを用いてBPAの吸着を検討したところ、ミセルが形成されるpH以下でBPAの吸着が見られたが、ミセルに取り込まれるものと、単純に疎水性相互作用によってミセル周辺の疎水基に吸着しているものがあることが見出された。低濃度のBPAに対しては疎水性相互作用による吸着分離は難しく、低濃度の分離にはBPAをミセル内へ取り込む必要がある。そこで、ミセルへの取り込み量を増加させる方法について検討した結果、NaAMPSとNaMmDの共重合比およびミセルの形成速度が重要なことを見出した。特に、pHを徐々に変化させてミセルの形成速度を制御するとミセルへの取り込み量が著しく増加することを見出した。また、pHを増加させてミセルを崩壊させると、取り込んだBPAはほぼ完全に放出された。これらの結果から、低濃度のBPAの吸着分離に関する指針が得られた。
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