2009 Fiscal Year Annual Research Report
マルチ分子プローブ気体拡散法による非晶質サブナノ微細空隙構造評価法の開発
Project/Area Number |
21560779
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
吉岡 朋久 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 准教授 (50284162)
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Keywords | 多孔性アモルファスシリカ膜 / 気体分離 / 気体拡散法 |
Research Abstract |
1. 多孔性アモルファスシリカ粉体試料作製とHe置換法による密度測定 珪酸エチルを前駆体として調製したシリカコロイドゾル溶液から,多孔性アモルファスシリカ膜の製膜時と同一の乾燥・焼成条件のもとでゾルーゲルプロセスによりシリカ粉体試料作製した.作製したシリカ粉体試料およびリファレンスとして非多孔性ガラスビーズを用いて,市販の乾式自動密度計(He置換法)により密度測定を行ったところ,ガラスビーズの密度は2.5g/ml程度,シリカ粉体試料の密度は2~2.5g/ml程度を示した.また,シリカ粉体試料については,液体窒素温度下で窒素吸着等温泉を測定することに比表面積を求めた.シリカ粉体試料の比表面積は300m^2/g程度であり,1nm以下の微細孔を有する多孔性材料であった. 2. マルチプローブガス分子拡散法による密度測定装置の設計・作製 マルチガスをプローブとして用いた分子拡散法による多孔体の密度測定装置を,測定に必要とされる温度・圧力条件,試料の量,圧力計精度,圧力の平衡待ち時間等を計算し,適切な圧力センサーや制御バルブ類を選定することにより新たに作製した.ヘリウムを用いた密度測定では,1.の市販の装置と同等あるいはそれを上回る精度での密度測定が可能であることが示された.ヘリウム,窒素,アルゴンなど分子サイズの異なる複数のプローブ分子を用いてアモルファスシリカ粉体試料における拡散実験を行ったところ,拡散ガス種により評価される死容積が異なり,吸着および熱遷移効果を考慮することが必要でありことが明らかとなった.測定条件および解析式を最適化することにより微小気体をプローブ分子として用いる気体拡散法が多孔体の微細構造評価手法として有効であることが示唆された
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