2010 Fiscal Year Annual Research Report
マルチ分子プローブ気体拡散法による非晶質サブナノ微細空隙構造評価法の開発
Project/Area Number |
21560779
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
吉岡 朋久 広島大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (50284162)
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Keywords | 多孔性アモルファスシリカ膜 / 気体分離 / 気体拡散法 / 真密度測定 |
Research Abstract |
1.マルチプローブガス分子拡散法による密度測定装置の作製・測定 前年度に引き続き,様々な気体分子をプローブ分子として定容法によって粉体試料の空隙体積を測定可能な測定装置・試料セルを作製した.高真空仕様のラインおよびセルと高精度キャパシタンスマノメータを用いることで,10^<-4>mmHg程度の精度での圧力測定が可能となった.微細構造を有する粉体試料について,分子径の異なる数種類の気体分子(He(0.26nm), Ne(0.282), Ar(0.34), N2(0.364), SF6(0.55))を拡散プローブ分子として空隙容積を測定したところ,Arよりも大きなガス種については室温付近でも吸着の影響が無視できず,試料部を100~300℃に加熱して,圧力計(35℃)からの温度分布(熱遷移効果)を考慮して試料部の圧力を求めた.ArやN_2など比較的大きな分子を拡散させた場合には,1mmHg以下の低圧下においても吸着の効果を排除することは不可能であり,逆に吸着量の温度依存性と合わせて,拡散に有効な細孔容積と微細孔内吸着エネルギーを評価可能なモデル式を提案した. 2.構造化アルコキシドを用いた新規多孔性アモルファスシリカ材料の微細構造評価 BTESE (bis-triethoxysilyl ethane)を出発原料とし,気体透過性に優れるシリカポリマー鎖構造を有すると考えられるC含有粉体試料を作製した.そのX線回折パターンは非晶性を示し,既存のN_2吸着法によりシリカと同等かそれ以上の多孔性材料であることを確認した.1.で作製した装置を用いてマルチプローブガス分子拡散法により空隙構造を評価したところ,HeやN_2の拡散に有効な空隙容積は通常の非晶質シリカ材料よりも大きく,一方,シリカ材料と同様にSF_6のように大きな分子が拡散可能な空隙は,Heの拡散可能な空隙の1%程度と非常に小さいことが示された.
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Research Products
(6 results)