2011 Fiscal Year Annual Research Report
マルチ分子プローブ気体拡散法による非晶質サブナノ微細空隙構造評価法の開発
Project/Area Number |
21560779
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
吉岡 朋久 広島大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (50284162)
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Keywords | 多孔性アモルファスシリカ膜 / 気体分離 / 気体拡散法 / 真密度測定 |
Research Abstract |
1.構造化アルコキシドシリカ材料の気体拡散特性と微細構造との相関 構造化アルコキシドであるBistriethoxysilane(BTESE)由来の多孔性アモルファスシリカ材料を作製してヘリウム,窒素,六フッ化硫黄ガスの気体拡散試験を行い,本研究で提案するマルチ分子プローブ気体拡散法で評価した微細構造と,多孔性膜として報告されている気体透過特性との相関関係があることが見出された.一方,規則的な細孔構造を有し,細孔径が既知の材料であるY型ゼオライトの空隙容積をヘリウムおよび窒素で測定したところ,理論構造から予測される空隙容積および空隙容積比が得られ,既報の文献で報告されている値に近い吸着熱も観測されたことより,測定手法としての妥当性が確認された.また,液体窒素の吸着量から評価する従来の吸着法では空隙容積を過大評価する可能性が示唆された. 2.分子動力学法による新規アモルファスシリカ膜構造の作製・評価と気体拡散シミュレーション BTESEシリカ構造をモデル化した-C_2H_4-基を有するシリカポリマー鎖のネットワークにより微小空隙が構成される仮想的なアモルファスシリカ構造を分子動力学シミュレーションにより作成した.動径分布および空隙サイズ分布解析より,この材料は通常のシリカ構造に較べてポリマーネットワークが広がったやや大きな空隙を有することが明らかとなった.また,この構造中の気体拡散性の分子径依存性は,膜での気体透過性およびマルチ分子プローブ気体拡散法で測定された空隙容積分布と良好な相関を示した. 以上より,本研究で提案した気体拡散法により,多孔性材料の気体の拡散・透過に有効なサブナノサイズの空隙構造を定量的に精度良く評価可能であることが明らかとなった.
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Research Products
(4 results)