2011 Fiscal Year Annual Research Report
内部貫通孔を有する生体機能分子内包マイクロカプセル型分離剤の開発
Project/Area Number |
21560780
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
塩盛 弘一郎 宮崎大学, 工学部, 准教授 (80235506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清山 史朗 都城工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (90300665)
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Keywords | マイクロカプセル / 抽出剤 / リン脂質 / 多孔質材料 / 生体分子 / 金属リサイクルプロセス / 分離材 |
Research Abstract |
表面から内部への貫通孔を有し,金属イオンや環境ホルモンなどと選択的に結合するタンパク質,DNAおよびリポソームなどの生体分子および機能分子を高効率で内包させた多孔質マイクロカプセルを調製した。マイクロカプセルを貫通孔の多孔質とすることにより表面積を増大させると共に,内部へ分離対象の水溶液が容易に流入することによりカプセル内部への物質移動距離を短くして抽出速度の大きな分離マイクロカプセルの開発を行う。さらに,本カプセルを用いた廃液からの有価物の選択的分離回収や有害物質の除去を目的とする操作が簡便な分離プロセスを構築する。 W/0/Wエマルションの有機相中でジビニルベンゼンをin situ重合することにより内部に連結した球状細孔を有するマイクロカプセルを調製し、リポソーム、リン脂質、タンパク質、亜鉛の抽出剤である2-Ethylhexyl phosphonic acid mono-2-ethylhexyl ester (PC-88A)、またはニッケルの抽出剤であるLIX84-Iを内包させたマイクロカプセルを調製した。 内水相にリポソームを添加したW/0/Wエマルションを調製し、油滴を界面重合によるナイロン膜で被覆後、in situ重合してリポソーム内包マイクロカプセルを調製した。リポソーム仕込み量の約20%が内包された。 LIX84-1は、含浸法により多孔質マイクロカプセルへ内包させることが出来、内包率を約60%と非常に高められた。ニッケルイオンは,pH 6以上で抽出され始め,pH7.5で最大となった。1つのニッケルイオンに対し3分子のLIX84-Iが抽出に関与しており、溶媒抽出の抽出挙動と異なることが示唆された。LIX84-I担持マイクロカプセルによるニッケルイオンの抽出速度は、連結球状細孔を形成させたカプセルのほうが,細孔がないカプセルよりも抽出速度が速くなった。
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