2011 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ粒子による触媒反応に超臨界二酸化炭素の溶解特性を高度に活かした革新プロセス
Project/Area Number |
21560787
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Research Institution | Nara National College of Technology |
Principal Investigator |
直江 一光 奈良工業高等専門学校, 物質化学工学科, 准教授 (00259912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 正直 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (80193655)
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Keywords | ナノ粒子 / 触媒 / 超臨界二酸化炭素 / 分散性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ナノ粒子触媒の表面特性を様々なコーティング剤により改変することにより、超臨界二酸化炭素への溶解性を自在に制御できるナノ粒子触媒を調製し、高い反応効率と容易な触媒回収が両立した触媒反応システムの構築を目指すことである。本年度は、まず、(1)パラジウムナノ粒子表面に様々なコーティング剤を導入することにより様々な表面特性を有するパラジウムナノ粒子触媒を調製した。さらに初年度に試作した超臨界二酸化炭素へのナノ粒子触媒溶解性測定システムをリアクターとして利用し、超臨界二酸化炭素中における各パラジウムナノ粒子触媒の活性を測定した。cross-coupling反応に着目し、各ナノ粒子触媒によるMizoroki-Heck反応を行なったところ、本研究で調製したパラジウムナノ粒子は超臨界二酸化炭素中において上記cross-coupling反応を効率良く触媒することが明らかとなった。また、コーティング剤濃度により反応活性は大きく変化し、触媒活性発現に最適なコーティング剤濃度が存在することが明らかとなった。また、圧力の影響について検討したところ、触媒活性は圧力によって変化し、最大活性を示す圧力が存在した。次に(2)パラジウムナノ粒子固定化担体の調製とその触媒活性について検討した。本研究では固定化担体としてオルガノゲルに着目した。諸条件を検討してオルガノゲルへのパラジウムナノ粒子の固定化を行なったところ、パラジウムナノ粒子が均一に固定化されたオルガノゲルの調製に成功した。そこで、乾燥したナノ粒子固定化オルガノゲルについて超臨界二酸化炭素中における触媒活性を調べたところ、本オルガノゲル担体はパラジウム含量が低いにも関わらず極めて高い触媒活性を示した。本担体は反応系からの回収が極めて容易であり、高い反応効率と容易な触媒回収が両立した触媒反応システムの構築に成功した。
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