2009 Fiscal Year Annual Research Report
抽出剤内包マイクロカプセルの特性制御による迅速な金属回収システムの開発
Project/Area Number |
21560788
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Research Institution | Miyakonojo National College of Technology |
Principal Investigator |
清山 史朗 Miyakonojo National College of Technology, 物質工学科, 准教授 (90300665)
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Keywords | (W / O / W)エマルション / in-situ重合法 / 貫通孔 / マイクロカプセル / 抽出 |
Research Abstract |
貴金属抽出剤として長鎖アルキルアミンであるトリ-n-オクチルアミン,骨格物質としてスチレン-ジビニルベンゼン共重合体を用いて,(W/O/W)エマルションシステムおよびin-situ重合法によりマイクロカプセルを調製した.大粒径で且つ迅速な金属回収が可能であるマイクロカプセルを調製するため,貫通孔を有するマイクロカプセルの調製条件を検討した.貫通孔を有することで,マイクロカプセル内外からの抽出が可能となり,大粒径マイクロカプセルで問題となっている内部拡散距離の短縮が可能となる.調製条件を検討した結果,内水相滴の粒径および内水相と外水相の浸透圧を制御することによって貫通孔を有するマイクロカプセルが調製可能であることが分かった. 貫通孔を有するマイクロカプセルを用いて,モデル金属イオンとしてパラジウムを選択し,塩酸水溶液からの貴金属回収速度を検討した.貫通孔を有さないマトリクス型のマイクロカプセルでは抽出速度は非常に遅く,且つ抽出率も1に到達しないが,貫通孔を有するマイクロカプセルを用いた場合,内部拡散の影響が見られず,非常に迅速に金属イオンを抽出でき,且つ抽出率も1に到達することを明らかにした.抽出速度は貫通孔の大きさに依存することも明らかにした. 今後の課題として,粒径制御型のマイクロカプセルと比較すると,小粒径マイクロカプセルでは5分以内に抽出が完了するが,大粒径の貫通孔型マイクロカプセルでは抽出平衡に到達するまで20分を要している.より迅速な金属回収を行うため,骨格物質の変更や更なる構造制御が必要である.
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Research Products
(1 results)