2010 Fiscal Year Annual Research Report
抽出剤内包マイクロカプセルの特性制御による迅速な金属回収システムの開発
Project/Area Number |
21560788
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Research Institution | Miyakonojo National College of Technology |
Principal Investigator |
清山 史朗 都城工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (90300665)
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Keywords | (W/O/W)エマルション / in-situ重合 / 貫通孔 / マイクロカプセル / 抽出 / めっき廃液 |
Research Abstract |
1 貫通孔を有するマイクロカプセルの抽出速度制御 平成21年度の課題として,大粒径の貫通孔型マイクロカプセルでは抽出平衡に到達するまでに時間を要していた.マイクロカプセルの骨格物質であるスチレンとジビニルベンゼンの混合比を変化させて抽出速度制御を検討した結果,ジビニルベンゼンの割合の増大と共に抽出速度が増大し,ジビニルベンゼンのみのマイクロカプセルを用いた場合では粒径制御型の小粒径マイクロカプセルと同等の抽出速度を達成することが出来た. 2 メッキ廃液からの有価物回収 無電解メッキ廃液中に存在するNi,Cuの回収およびメッキ廃液の長寿命化を目的として,2種の抽出剤(LIX84IおよびPC88A)のマイクロカプセル化を検討した.LIX84Iは単独ではマイクロカプセル化が不可能であったが,PC88Aと混合することでマイクロカプセル化可能であることを明らかにした.また,2種の抽出剤を内包した抽出剤混合型マイクロカプセルは2種の抽出剤の性能を保有しており,NiおよびCuの選択的な抽出が可能であることが分かった.更に,抽出剤混合型マイクロカプセルの抽出速度はPC88A単独のマイクロカプセルと比較して飛躍的に向上することが分かった.この結果は溶媒抽出法で報告された結果と同様であり,2種の抽出剤の特性を保持しながら迅速な金属の回収が可能なマイクロカプセルが開発できた.
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