2009 Fiscal Year Annual Research Report
放射光・電子分光融合分析が実現する可視光応答型光触媒の合理的設計
Project/Area Number |
21560798
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉田 朋子 Nagoya University, エコトピア科学研究所, 准教授 (90283415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武藤 俊介 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20209985)
巽 一厳 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 講師 (00372532)
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Keywords | 光触媒 / 放射光分光 / 電子分光 |
Research Abstract |
N_2^+イオンを室温でルチル型TiO_2(100)単結晶に照射量1×10^<17>/cm^2~5×10^<17>/cm^2で注入した.イオン注入後,その一部を大気中573Kで2時間熱処理した.TRIMコードを用いたモンテカルロ計算から,注入された窒素原子は深さ90nm付近を中心に表面から180nmの深さ領域まで分布していることが示唆された.イオン注入を行うと可視光領域(波長430~900nm)に吸収帯が発現したが,このうち550~900nmのブロードな吸収は加熱処理によって消失したことから注入中に生成した欠陥由来のものであることが分かった.一方430~550nmの吸収は加熱処理によっても変化しなかったことから注入窒素による吸収であると結論した.これらの試料に対して波長430nm以上の光照射を行うと,未照射試料よりもメチレンブルーの分解反応が速やかに進行した.分解活性は注入量が3×10^<17>/cm^2の時に極大を示すが,一方,吸光度はイオン注入量に対して単調に増加し,吸光度の増加は触媒活性向上に必ずしも対応していないことが分かった. 可視光照射下で触媒活性を示した試料のN1sXPSスペクトルには396eVのTi-N結合に対応するピークが確認されたが,不活性試料のスペクトルには396eVと401eV付近のピークが現れた.この401eV付近のピークはN-O結合に帰属されることから,不活性試料については表面にNO等の分子が生成し触媒活性が低下したと推測された.
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Research Products
(7 results)