2010 Fiscal Year Annual Research Report
常温メタン水蒸気改質反応による水素製造のための新規光触媒の開発
Project/Area Number |
21560799
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉田 寿雄 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (80273267)
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Keywords | 光触媒 / メタン / 水 / 酸化ガリウム / 水素生成 |
Research Abstract |
持続可能な社会を実現するためには,我々の生活水準を維持するために必要なエネルギーを再生可能な資源と再生可能なエネルギーから作り出す必要がある.我々は,白金添加酸化チタン光触媒に室温で光を照射しながら再生可能資源であるメタンと水蒸気を流通させると,メタンは水により二酸化炭素にまで酸化され,同時に水素が得られることを見出し,これを光触媒的メタン水蒸気改質反応と名付けた.その後,白金添加ランタンドープタンタル酸ナトリウム光触媒がより高活性であることを見出し,一般に貴金属添加半導体光触媒が有効であろうという作業仮説を立てた.本研究は,この仮説に従い,本反応のための新規な高性能光触媒の開発を目指して,本反応の反応機構・律速段階と,触媒に求められる構造的因子を明らかにし,触媒設計指針を確立することを目的としている.平成22年度には,酸化ガリウム光触媒を用いて,光触媒反応中の反応温度の影響を詳細に検討した.光触媒では光エネルギーにより促進されるが熱エネルギーも反応速度を向上させることを見出し,これをもとに熱的活性化エネルギーを算出し,励起電子の半導体内での移動と金属助触媒への移動に際して有効に用いられることを証明した.さらに,数種のドーパントの局所構造と反応活性に与える影響を精査し,酸化ガリウム中のガリウムに置換型固溶している亜鉛イオンは結晶構造を歪ませずに電子の移動を促進させ,表面に分布する場合には表面活性主として有効に作用することを示した.
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Research Products
(6 results)