2009 Fiscal Year Annual Research Report
可視光駆動型二酸化マンガン光触媒を用いた人工光合成反応の最適化
Project/Area Number |
21560800
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
古屋仲 秀樹 Kyoto University, 物質-細胞統合システム拠点, 特定拠点准教授 (40248620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻本 将彦 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 研究員(WPI) (40437265)
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Keywords | ナノ二酸化マンガン / 水熱合成法 / 水酸化物イオン / 酸素 / 電気発生 / 水素センサ / 人工光合成 |
Research Abstract |
当該年度は、研究実施計画に従って以下の1)~3)の成果を得た。 1)研究対象としているR型結晶構造を高純度で含む二酸化マンガンのナノ粒子を水熱合成によって大量生産する合成技術を確立した。従来手法は粉末焼成と酸処理過程を経て合成していたために、その合成過程で二酸化炭素の排出が不可避であった。また、従来手法は工業的な大量合成には向かなかったことを解決した。 2)研究対象としているR型結晶構造を高純度で含む二酸化マンガンのナノ粒子は、水中で水酸化物イオンから酸素と電子、および水素イオンが発生させる性質を有することを明らかにした。従来の知見では、単に同材料の触媒効果によって水分解が生じて酸素が発生しているとしか明らかでなかった反応を詳細に分析・理解することができた。 以上の1)および2)の成果は特願2010-73823として3月末に京都大学から特許出願された。また、電気化学会第77回大会にて発表した。 3)R型結晶構造を高純度で含む二酸化マンガンのナノ粒子と水との反応性に関する研究の過程で明らかにすることができた同材料の水素イオン導伝性を利用して、水素濃度を1~100%と広いレンジに渡って計測することが可能な水素ガスセンサを新たに開発することができた。室温下で数秒間で濃度測定できるため、従来の方式に比べて性能的にもコスト的にも実用化が望める新技術として期待できる。
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Research Products
(4 results)