2009 Fiscal Year Annual Research Report
精密サイズ制御に基づく超高活性金属クラスター触媒の創生
Project/Area Number |
21560801
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
奥村 和 Tottori University, 工学研究科, 助教 (30294341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹羽 幹 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (10023334)
片田 直伸 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (00243379)
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Keywords | パラジウム / クラスター / ゼオライト / 鈴木・宮浦反応 / カップリング反応 / 超安定化Y型ゼオライト / 水素バブリング / 有機合成 |
Research Abstract |
Pd/USY触媒をo-キシレン溶媒中で水素をバブリングすることによって得られる微細な金属Pd触媒は鈴木・宮浦カップリング反応に特異的な高活性を示すことが分かっている。Pd^<2+>の還元過程を、Pd-Kedge in situ Quick XAFS法によって追跡し、水素バブリングによって形成されるPd種の構造を調べたところ、原子状に高分散した金属Pdが形成していることがわかった。さらにPd L_3-edge XANESによって分析したところ、Pdの価数は+0.3価であり、Pdがカチオン性を帯びていることがわかった。本Pd/USY触媒はさまざまなブロモベンゼンおよびクロロベンゼン誘導体に対し、極めて高い活性を示し、たとえばブロモベンゼンとフェニルボロン酸とのカップリング反応ではTONが1.5時間で1300万に達した。またPd/USY触媒は、ナフタレン環同士のカップリング反応といった嵩高い分子を形成させる反応にも有効であることがわかった。USYゼオライトのNH_4Yゼオライトのスチーミング条件を検討したところ、18%水蒸気によって550℃で処理したUSYゼオライトを担体とした場合にPdは最も高い活性を示した。この理由を追求するため、NH_3-IRMS-TPD法によってUSYゼオライトの酸性質を詳細に調べたところ、スチーミングに伴って発現する強酸点の量と触媒活性に相関性があることがわかった。したがって、この強酸点が原子状Pdの形成を促進し、反応中に安定化されているためにPd/USYが高活性を示したものと結論づけられる。
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