2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560806
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
阿野 貴司 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (80202654)
|
Keywords | バイオフィルム / リアクター / バイオマス / C5糖 / 枯草菌 |
Research Abstract |
木材、稲ワラ、草など、木質系のバイオマスに含まれる主な糖質である、セルロースとヘミセルロースを糖化すると、グルコースを主とする6炭糖(C6糖)とキシロースを主とする5炭糖(C5糖)が得られる。酵母を始め一般に、C6糖を資化することはできるが、C5糖を資化することができない微生物が多い。そこで、バイオマスの利用効率を高める事を目的として、枯草菌を用いたC5糖の有効利用を試みた。本研究では、有用バイオサーファクタントであるサーファクチンの生産をモデル物質として生産を試みた。糖として、C6糖であるグルコース、C5糖でありヘミセルロースの主成分であるキシロースやアラビノースを用いた。コントロールには、糖が無添加の培地を作成した。いずれの培養条件も、経時的にサンプリングを行い、CFU、あるいはサーファクチン濃度、残糖濃度を測定した。生産培地は高濃度のポリペプトンを含むが、糖含有培地においては培養中すべての期間において、非含有培地に比べて高濃度の菌体を維持した。消費速度は、グルコースとアラビノースに比べてキシロースが顕著に遅いことが示された。サーファクチン生産においては、キシロースとアラビノースに比べてグルコースのそれは低い値を示した。従って、バイオサーファクタントの生産において5炭糖が有効であることが示された。糖の消費速度は、アラビノース、グルコース、キシロースの順に速いため、消費速度と物質生産の量には、直接的な相関関係は認められなかった。以上の結果から、枯草菌はC5糖であるキシロースやアラビノースを用いてバイオサーファクタントの一種である有用物質、サーファクチンを生産できることが示された。
|
Research Products
(3 results)