2010 Fiscal Year Annual Research Report
生分解性多孔質材料とナノ無機カプセルを複合化した環境調和型バイオ分離膜の開発
Project/Area Number |
21560807
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田中 孝明 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (00217043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 勇雄 新潟大学, 自然科学系, 教授 (00169921)
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Keywords | 生分解性多孔質 / ヒドロキシアパタイト / バイオセパレーション / バイオプロセス / 膜分離 |
Research Abstract |
本研究課題においては,研究代表者の田中が開発するポリ乳酸などの生分解性プラスチック多孔質膜と,研究分担者の木村の開発するヒドロキシアパタイト製ナノ粒子とを複合化させて環境調和型バイオ分離膜の開発を行う。タンパク質や抗生物質などの生理活性物質の吸着に適するように材料と操作条件(吸着・溶出)の最適化を検討する。海外共同研究者のD.R.ロイド(米国テキサス大学オースチン校工学部教授)は分離膜開発の専門家として理論的な面から,田中・木村の複合多孔質膜の開発を支援する。 本年度は,田中は主として複合化に用いるポリ乳酸製多孔質膜の内部構造の改良を検討した。非溶媒誘起相分離法と熱誘起相分離法を組み合わせて作製したポリ乳酸製デプスフィルター膜はヒドロキシアパタイト粒子の保持に有効なことを示した。作製したポリ乳酸製多孔質膜にヒドロキシアパタイト製ナノ粒子を複合化し,モデルタンパク質として牛血清アルブミンを用いて吸着特性とリン酸緩衝液による溶出特性を検討した。また,高温多湿条件下におけるポリ乳酸製多孔質膜の分解実験も行った。木村はヒドロキシアパタイト製ナノ粒子の改良調製条件の検討を進めた。本研究課題の研究成果の一部を化学工学会第42回秋季大会にて発表した。田中は米国化学工学会年会(ユタ州ソルトレークシティ,2010年11月)に参加し,ポリ乳酸製多孔質膜について研究発表を行うとともに,本研究課題の関連情報の収集を行った。さらに,海外共同研究者のロイドとテキサス大学にて本研究課題に関する研究打合せを行った。
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