2010 Fiscal Year Annual Research Report
高度集積化多機能バイオケミカルイメージングチップの創製と組織機能解析への応用
Project/Area Number |
21560808
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
鈴木 正康 富山大学, 大学院・理工学研究部(工学), 教授 (70226554)
|
Keywords | 計測工学 / 生物・生体工学 / マイクロ・ナノデバイス / マイクロアレイ / バイオセンサ |
Research Abstract |
まずケミカルイメージングの基礎的検討として、本年度は特にイメージングに重点を置いて検討した。イメージングの観点からセンサ応答の迅速性は重要である。そこでまずFITCを用いたpHセンサ、ルテニウム錯体を用いた酸素センサの応答速度を評価した。その結果、pHセンサでは蛍光増加時が4.0秒、同減少時が2.0秒、酸素センサでは蛍光増加時が3.5秒、同減少時が3.0秒と、一般的な動的現象のイメージングには充分適用できることがわかった。次に実際にケミカルイメージングを行った。Y字流路を用いて、pH4.5とpH9.3の緩衝液、酸素を通気した蒸留水と5%亜硫酸ナトリウム水溶液のそれぞれの混合時のpHや酸素濃度の分布状態のダイナミックなイメージングを行った。 その結果、蛍光強度変化を指標に、混合状態のケミカルイメージングに成功した。次にpHセンサと酸素センサを交互に配した集積化センサアレイを用いて同様にpHと酸素の同時イメージングを試みたところ、両センサの応答の独立性を確認できた。次に組織切片への応用に向けた基礎実験としてアセチルコリンセンサアレイを作製した。アセチルコリンセンサは当初予定していたpHセンサへの酵素アセチルコリンエステラーゼの積層では迅速な応答が得られなかった。そこで応答の迅速化を目指して酵素を直接FITCで修飾したものをスタンプした。しかしこうして作製したセンサアレイでは酵素の失活により応答はほとんど得られなかった。そごでFITC修飾したアルブミンと酵素を混合したものをスタンプして架橋することにした。その結果、0.002mMのアセチルコリンが検出可能となった。
|
Research Products
(7 results)