2011 Fiscal Year Annual Research Report
高度集積化多機能バイオケミカルイメージングチップの創製と組織機能解析への応用
Project/Area Number |
21560808
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
鈴木 正康 富山大学, 大学院・理工学研究部(工学), 教授 (70226554)
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Keywords | 計測工学 / 生物・生体工学 / マイクロ・ナノデバイス / マイクロアレイ / バイオセンサ |
Research Abstract |
昨年度成果の得られたpHセンサ膜、酸素センサ膜を用いた微小流路におけるケミカルイメージングについて引き続き実験を継続すると共に、酵素センサ膜を用いたバイオケミカルイメージングへの展開を図った。酵素センサとしては組織中の腫瘍細胞検出のためのグルコースセンサ膜及び神経細胞の機能解析に必要なアセチルコリンセンサ膜について作製・評価を行った。 グルコースセンサ膜はルテニウム錯体を含むナフィオンをマイクロコンタクトプリントして形成した酸素センサ膜上にグルコース酸化酵素とアルブミンの混合溶液を重ねてスタンプし、グルタルアルデヒド雰囲気下で架橋して形成した。しかしグルコース濃度の相違を蛍光強度の差異として明確にバイオケミカルイメージングすることは出来なかった。直接酵素液を塗布したところ、蛍光変化を見ることが出来たので、酵素の固定化量が充分でないことが原因と考えられた。そこでスタンプの作製方法を検討し、インク保持能の向上を図ることで、グルコースセンサによるグルコース分布のイメージングを行うことに成功した。 アセチルコリンセンサ膜はpH応答性蛍光色素のFITCを結合させたアルブミンを酵素アセチルコリンエステラーゼと混合してスタンプしたのち架橋して形成した。しかし架橋後洗浄すると多くが脱離した。FITCがアルブミン表面のアミノ基に結合し、架橋に必要なアミノ基が不足していることが原因と考えられた。そこでFITC標識していないアルブミンをさらに添加して膜を形成したところ洗浄に伴う蛍光強度の低下は見られなくなった。アルブミンの代替としてアミノ基をより高密度で持つポリ-L-リジンでも行ったがほぼ同等の結果であった。これによりアセチルコリンのイメージングが可能となった。 今後、開発したバイオケミカルイメージング技術の組織切片への応用を遂行していく。
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Research Products
(3 results)