2009 Fiscal Year Annual Research Report
培養皿の培養面に塗布した機能物質による多能性幹細胞(ES・iPS細胞)の分化制御
Project/Area Number |
21560809
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
黒澤 尋 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (10225295)
|
Keywords | 再生医学 / 細胞・組織 / 発生・分化 / 生体材料 / 表面・界面物性 / ES細胞 / リン脂質ポリマー / 胚様体 |
Research Abstract |
本研究では、接触角の異なるコート剤に被覆された培養面が、EBの形状及び細胞の分化に及ぼす影響を検討した。2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンからなるリン脂質ポリマー(MPC)、負に荷電しているMPCポリマー(Negative charge ; NC)、10% Pluronic F127(10%-PL)、および0.5% Pluronic F127(0.5%-PL)を96-Well丸底プレートにコートした。ここにmES細胞(129/svev)を1000cells/wellとなるように播種し、5日間の浮遊培養を行い、EBを形成した。また、同時に1000cells/50μlでハンギングドロップ(HD)法によりEBを形成した。形成されたEBを接着培養し、拍動を伴った心筋の発生を確認した。また、形成されたEBの遺伝子発現をRT-PCRにより解析した。 1.EBの形態的特徴 EBの大きさ:各条件ともEBを形成し、ほぼ同じ大きさのEBが形成された。 EBの円形度:培養5日目のEBの形状(円形度)を測定した。10%-PLにて形成したEBでは培養5日目においても球形を維持していた。 2.接着培養後のEBの拍動率 接着培養3日目において0.5%-,10%-PLコートで形成したEBでは拍動率が低くなり、一方、MPCコートでは、高い拍動率を示した。 3.培養5日目EBにおける遺伝発現解析 RT-PCRにおいて、HD法で形成したEBのみSoxlの発現が確認できなかった。 また、中胚葉系のα-MHCおよび内胚葉系のTTRの相対発現率は、MPCコート及びHD法において比較的高く、PLコートでは低かった。接触角と分化傾向の関連性は見られなかった。
|
Research Products
(2 results)