2009 Fiscal Year Annual Research Report
抗体医薬開発のためのアフィニティー濃縮技術と新規プロテオーム解析技術の融合
Project/Area Number |
21560810
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
岸本 通雅 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 教授 (00144436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊田 陽一 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教 (70452373)
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Keywords | アフィニティー濃縮 / プロテオーム解析 / ペプチド合成 / 医療診断 / 抗体医薬 |
Research Abstract |
本研究ではガンマーカーなど医療診断等に関係する重要な微量蛋白検出のためのアフィニティ担体の利用を検討する。そのため先ずランダムペプチドをアフィニティ担体としてもちいるバイオラッド社のproteo Miner Protein Enrichment Kitによりモデルタンパク質を濃縮し、SDS-PAGEによりタンパク質を分離し、研究室で開発した画像解析システムを用いて、濃縮効果を定量的に検証した。同時にタンパク質の種類による濃縮効果の違いを観察し、分離したタンパク質が質量分析計を用いたPMF法により同定できるかを検討した。 通常血清などに多量に含まれているアルブミンにたいし、はるかに少量で通常は測定できないようなタンパク質がこの濃縮操作を応用することにより測定できるように成るか調べるために、微量成分のモデル物質として、カルボニックアンヒドラターゼ(CAB)、トリプシンインヒビター(TI)、グルコースオキシダーゼ(GO)の三種類を用い、高濃度アルブミン存在下において実験を行った。その結果、たとえばアルブミン濃度を15倍しても、微量蛋白であるCABでは21%、TIでは36%、GOでは28%の現象にととまり、濃縮効果は十分果たせていることを確認した。なおこの測定ではSDS電気泳動のCBB染色画像を画像解析して用いたが、このときの各タンパク質スポットのvolume値と蛋白質量とは、濃度が薄いときはほぼ比例関係が保たれていることを実験で確認している。 しかし微量タンパク質の成分により濃縮効果、ないしはタンパク質の回収率が異なっていた。これは微量タンパク質にたいし親和性を持つペプチドが、同時にアルブミンに対しても親和性を持つことにより生じた現象と考えれるが、この問題に対し、今後濃縮操作条件の検討や、異なったランダムペプチドから成るアフィニティー担体を使用し、その効果とメカニズムを検討する。
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