2010 Fiscal Year Annual Research Report
シングルセル包摂技術を用いた酵母表層提示酵素の高速活性測定系の開発
Project/Area Number |
21560812
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
梶山 慎一郎 近畿大学, 生物理工学部, 准教授 (20243496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 勉 神戸大学, 自然科学系先端融合研究環重点研究部, 助教 (90436551)
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Keywords | シングルセル / 酵母表層工学 / 活性スクリーニング / 細胞包摂 / ソーティング |
Research Abstract |
コンビナトリアルバイオエンジニアリングの手法を用いた、変異体タンパク質ライブラリーの大量作製とその大規模なスクリーニングは、産業用途に好適な酵素タンパク質を取得する上で強力なツールになると考えられる。我々は、これまでの研究で、アルギン酸カルシウムビーズ中に核酸、タンパク質、あるいは細胞を封入する技術開発を行ってきた。本技術を用いれば、ビーズ内に酵母を包摂し、この内で酵素反応を起こさせることにより、反応後の標識分子の溶液中への拡散を防ぎつつ、活性の高い表層提示酵母細胞をビーズごとセルソーティングにより取得できると考えられる。そこで本研究では、独自の細胞包摂技術を基礎に、広範な応用を可能とする酵素表層提示酵母のスクリーニング系を開発することを目的とした。平成22年度は,昨年度最適化を行ったアルギン酸カルシウムビーズを用いた酵母細胞包摂法によりAspergillus aculeatus由来のβ-グルコシダーゼ表層提示酵母(211株)を包摂し、包摂された酵母の表層β-グルコシダーゼ活性を効率よく検出する方法の検討を行った。具体的には、包摂酵母と基質溶液の反応条件(基質濃度、反応時間・温度)の決定を行い、未反応基質によるバックグラウンドシグナルとビーズ内の反応シグナルが十分に分離できる条件を見出した。さらに、本アッセイ系では、細胞分別後に包摂された酵母が生存し、増殖しなくていなくてはならない。そこで包摂の際、細胞の生存率に大きく影響する界面活性剤(Tween85)の濃度の検討と、包摂酵母からの再培養法の検討を行い、高い包摂率と生存率を併せ持つ条件の設定に成功した。来年度は、本年度の結果をもとに、実際にセルソーターを用いた活性酵母の濃縮を行い、本アッセイ法の有用性を示すことを目指す。
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[Journal Article] Ethanol production from cellulosic materials using cellulase expressing yeast2010
Author(s)
Yanase, S., Yamada, R., Kaneko, S., Noda, H., Hasunuma, T., Tanaka, T., Ogino, C., Fukuda, H., Kondo, A
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Journal Title
Biotechnology Journal
Volume: 5
Pages: 449-455
DOI
Peer Reviewed
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