2009 Fiscal Year Annual Research Report
がん治療を目指した新しい複合リポソームワクチンの開発
Project/Area Number |
21560813
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
後藤 浩一 Sojo University, 生物生命学部, 准教授 (30279377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上岡 龍一 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (70099076)
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Keywords | 免疫学 / 癌 / リポソーム / ワクチン / T細胞 |
Research Abstract |
本研究では、上皮性がん細胞に分泌されるムチンMUC-1のオリゴペプチドを腫瘍抗原とし、また、膜タンパクB7-1をT細胞の活性化シグナル分子として複合リポソームに組み込んだリポソームワクチンの創製と、細胞および動物レベルでの腫瘍免疫誘導機能の検討を目的としている。まず、B7-1タンパクを組換えタンパク質として得るために、マウスBリンパ腫瘍細胞のmB7-1遺伝子を動物細胞発現用プラスミドベクターに組み込んだ組換えプラスミドを作製し、チャイニーズハムスター卵巣由来細胞にリポフェクション法でトランスフェクションした。ハイグロマイシンBを用いて本細胞を選択培養した後、膜タンパクを抽出し、SDS-PAGEとウエスタンブロティングによりmB7-1タンパクの発現を確認した。さらに、磁気細胞分離法により分離したmB7-1発現細胞を大量培養し、mB7-1発現細胞より抽出した膜タンパクをアフィニティークロマトグラフィーとゲルろ過クロマトグラフィーで精製して組換えmB7-1タンパクを得た。また、ムチンMUC-1のペプチド抗原については、T細胞が認識するエピートプ配列APDTRPAを含む抗原ペプチドのFmoc固相合成を試みた。複合リポソームに効率的に組み込むために、疎水性の長鎖アシル基を側鎖に有するリシンをC末端に配置した22merの抗原ペプチド誘導体を設計した。ジイソプロピルカルボジイミドをカップリング剤として用いた無水物法によりC末端のFmoc-長鎖リシンのWang樹脂への導入を試みたところ、導入効率29%の樹脂を得ることができた。
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